2010年6月11日金曜日

議会報告 22年3月定例会 1 一般質問

      議会報告

【平成22年3月 第1回定例会】

平成22年第1回定例会は、3月3日から17日迄の15日間の会期で行われました。
以下私の発言の主なものを要約して、ご報告いたします。  
詳しい内容は、5月発行の「議会便り」をご覧下さい。   

【 本 会 議 】
 一般質問には時間制限があり、質問答弁を含めて一時間以内となっています。

《一般質問》
私を含め、全部で8人の議員から一般質問がありました。  
尚、私は「地域医療体制の構築と充実」について質問しました。
地域医療とは、地域で医療が行われていることではありません。
医療・福祉・保健(予防)の各部門がきちんと連携し、この地で生き死んでゆく住民の生活を基底から支える「体制」そのものを言います。
「地域で医療」「地域の医療」とは根本的に違います。
現在各地で医師不足のため、大変な事態になっています。
厚岸町も例外ではありません。しかしその中で行政として地域医療体制の構築として何ができるか、考えていかねばなりません。
医師が足りない困った困ったと、行政としてなにも打ち出せない「医師不足依存症」ではいけないと考えています。そんな思いで提言を交えた質問をしました。

{一般質問の要旨}

1「地域医療体制」の構築と充実は急務

(問) 
厚岸町立病院の医療圏とはどこを指すのか。

(答)
医療の役割や患者の動向、高度医療機器と手術、入院設備の充足状況などから、従来より町立病院の医療圏は厚岸、浜中両町としている。

(問)
地域医療の中核としての厚岸町立病院に求められる機能とは何か。

(答)
町民が安心してこの地に住み続けるために、現在町立病院の有している内科、外科、小児科と透析治療の常設診療科及び療養病床と二四時間の救急救命をカバーする手術入院施設の維持に努める。退院後在宅での生活を支援するリハビリは重要である。また、整形外科、脳神経内科、循環器内科は釧路市の総合病院と連携を密にして開設していく。ただ、この病院の体制・機能維持には医師の確保が不可欠である。

(問)
地域医療体制をどう充実させて行くか。

(答)
この地で生きる住民の生活全体から医療を捉え、病気だけでない「人」を診る医療が基本とされる地域医療の推進が町立病院の診療方針である。但し、急速に進む医師不足のため現状の医療体制を維持することが大変に難しくなっている。
この急激な医師不足に対応し、町全体で支え合う医療の仕組みづくりが求められる。病気に対応する医療は勿論、検診による疾病の早期発見や広報活動等による予防医療も大切である。

(問)
「地域医療」とは、この地域で医療行為を行っているとか、あの地域の医療がこうだといった「地域の医療」「地域で医療」とは次元が異なるものだ。
保健(予防、健康づくり)・福祉・医療が一体となって住民の生活を支える「体制」そのものを言う。保健との連携、福祉との連携はどうなっているのか。

(答)
保健部門では乳児から高齢者までの健康づくり、介護保険など各部門での課題に対し、町内の医師歯科医師の指導助言を受けているが、従来より全体的取り組みが課題とされる。
福祉部門では障碍福祉の面で訪問診療、訪問相談の充実と、特に重度の障碍者の自立を補う医療的ケアが必要とされる。

(問)
地域医療体制の充実に欠かせない「医療連携」を町はどのように構築していくのか。

(答)
先ずは、医師確保に努め、その上で医療機関相互の診療や投薬の情報提供の推進を図り、医療機関が別々に管理する医療データを個人でも管理しながら関係機関相互に役立てられる仕組みづくりが求められる。日常を診るかかりつけ医から、専門的な内視鏡・CT等の高度な検査手術入院が必要となった場合には、町立病院や総合病院につなげるなど、関係医療機関の役割分担と連携が求められる。

(問)
町立病院と釧路市の総合病院等の連携により、整形外科、脳神経外科、循環器内科の定期的外来が行われていることは高く評価する。と同時に厚岸郡での中核病院として、厚岸浜中両町の診療所との連携はどの程度進んでいるのか。

(答) 
関係医療機関の連携を図るため、地域を越えて課題を共有し、新たな協議の場の提案を行うべく、担当者間での打ち合わせに入っている。少ないスタッフで少しでも効率よく診療を行うため医療情報が欲しいとお願いしている。

2、受診制限と医療情報共有のシステム

(問)
町立病院は投薬歴などの医療情報が欲しいと言う、対する診療所側は勤務時間外に呼び出され、膨大なカルテを探すのでは体が持たないと言う。これでは解決は遠い。
両町と医師歯科医師が一堂に会し、医師等に負担のかからないシステムを考えるべきだ。
例えば、保険証や受診カードと一体となった医療手帳を患者に持たせ、各病院・診療所等は今回の投薬(注射や薬)の情報をその手帳に記載し、患者に返却する制度を作る。
受診にはカード・保険証と共にこの手帳が必要となれば、初めて診る医師も今までの受診情報が一目でわかる体制だ。
先ずは投薬情報の共有から始めてみてはどうか。

(答)
浜中町とは医療機関の連携につき話合いの場を持つことになっている。提案の件は、参考にし乍ら考えて行きたい。

議会報告 22年3月定例会 2 議案審議

【議案第33号 町道路線の認定】

一度に15件の道路が町道として認定される議案です。これほど多くの道路が一挙に町道とされる議案はあまり例がありません。数はともかく、この中には町道とすることに問題のある道路が含まれているとされ、紛糾する場面がありました。本会議で質問が相次ぎ、特別委員会を設置し、本会議と合わせ2日にわたる質疑となりました。

現林道を町道とするものが何件かあり、町道とすることで管理がしやすくなる。また町道となれば、地方交付税の基準財政需要額の項目となり、交付される交付税が増える。といった理由が挙げられてました。

私は、特に林道を町道として認定するもののうち、他の林道上に始点をもち、終点が山林内で行き止まりとなっているもので、その先に住居も施設もないものについて、行き止まりの町道は始点が行動に繋がっていなければならないという、町の定めた認定基準に反している。町道としての公衆性や一般性に欠ける、といった点を中心に質問しました。

一般性、公衆性については山菜採り、きのこ狩り、森林浴などで一般町民に利用されている、との答弁でした。
また、質疑の中で一部の林道につき、道路図面すらできていないという杜撰な管理をしているものが、そのまま町道認定の対象となっていることもわかりました。

私はこの議案に反対しました。反対の立場で討論を行いました。
 反対討論《要旨》
(1)一部林道(311、來別2号道路)につき、用地確定の手続きもきちんとできていない。
林道は森林管理目的の道路で(スーパー林道など特殊なものは別として)公衆性・一般性に欠け公道とは言えず、「行き止まりの町道は始点が公道でなければならない」とする、厚岸町の町道認定基準にも反する。
この林道の町道として認めてもいいとする一般的利用性の根拠が、何人の人が利用しているかの調査等も行われていない、森林浴・山菜採り・きのこ狩りといったものでは、牽強付会のそしりは免れない。

(2)地方交付税が増えるということが、すべてではいけない。きちんとした手続きを踏み、適格性のあるもののみを町道として認定すべきである。

この後、
  賛成討論があり(発言者・堀議員)採決の結果、賛成多数で可決されました。 

議会報告 22年3月定例会 3 補正予算審議

【予算委員会(補正予算)】

予算委員会は、議長を除く全議員(17名)によって構成されます。
なお委員会での審議は一問一答の形で行われ、回数に制限はありません。
審議は款項目に従って〈目)ごとにおこなわれます。私の主な発言と答弁の要旨をお伝えします。

『ウタリ住宅改良貸付金元利収入』

問(室崎)《要旨》 
元利収入額が年度当初は322万8千円、これが年度末補正で259万3千円減額され、63万5千円となっているが、その内容。

答(福祉課長)《要旨》 
21年度当初で、納入義務者の現年度分の収納予定額と滞納分の収納見込額を合わせて計上した。しかし、今年度分の収納は見込めず、滞納分の収納見込額を残して減額した。
納入義務者の経済状態は現年度分の支払いより滞納分の解消で精一杯といった状態であり、22 年度からは当初予算において、納入義務者より提出された収納計画に基づいた収納予定額を予算 計上(81万円)する方法に変えた。
現在貸付者・納入義務者は5名であり、何れも厳しい経済状況ではあるが、この1年以内で滞納 額を返済できる見込みである。

『AED』(自動体外式除細動器)
心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った場合、電気ショックを与え、正常なリズ ムに戻すための医療機器

問(室崎)《要旨》 
現在、AEDは町内に何台設置されているか。 

答(保健福祉課長)《要旨》 
公共施設には、27台設置されている。
設置場所は、学校(厚岸小、厚岸中、真龍中、真龍小、太田中、太田小、片無去小中、高知小中、床潭小)、保育所(厚岸、真龍、宮園、太田、床潭)、児童館(友遊、子夢希)、町立病院、役場、心和園、BGセンター、温水プール、水鳥監察館、情報館、社会福祉センター、上尾幌消防団、 尾幌酪農ふれあい館、道の駅となっている。

問(室崎)《要旨》 
要所要所に設置されていることはわかった。
各設置場所に於いて、緊急時に素早く適切に使用され、効果を上げられる体制になっているか。

答(保健福祉課長)《要旨》 
各施設の担当者は、ほぼ全員が定期的に救命講習を受講している。これを徹底し、万が一のときにすぐ使える体制を充実させていきたい。また、機器・備品の整備、点検も怠りなく行っていく。

『デイサービス事業収支』

問(室崎)《要旨》 
デイサービス事業収支を見ると、一番悪いときは単年度で4600万円程一般会計からの繰入金 即ち赤字を出していたが、平成16度年あたりから収支の改善が見られ、平成17年は単年度で は1382万円、18年度は単年度で788万円と一般会計からの繰入金(赤字)を減らし、平成19年度では422万円の黒字とした。
しかし、平成20年度は一気に単年度で509万円の赤字となり、21年度は単年度で1574万円の赤字となっている。一旦改善されたものが20年以降、年1000万円ずつ坂を転がるように悪化している理由は何か。20年以降、改善時期と比べて何がどう変わったのか。
実際に現場を統括する管理職がいないのではないか。人的体制は同じか、利用者の要望をきちんと受け止めているか。介護計画を作るケアマネとの意思の疎通が図られているのか。

答(副町長)《要旨》 
一時期は担当者が利用者のお宅を訪問し、お話しをうかがい利用を勧めるといった地道な努力を重ねて、利用の拡大を図り、好評を博してきた。
現在、指摘を受けたとおり、利用者が減ってきている。
現場と協議をし、指摘のあった人員の配置、サービスの向上、ケアマネとの連絡などにつき、良く調整を図り利用の拡大に努める。

議会報告 22年3月定例会 4 予算審議1

【予算委員会(新年度予算)】

予算委員会は、議長を除く全議員(17名)によって構成されます。
なお委員会での審議は一問一答の形で行われ、回数に制限はありません。
審議は款項目に従って〈目)ごとにおこなわれます。私の主な発言と答弁の要旨をお伝えします。

『コンピュターソフト 違法コピー』

問(室崎)《要旨》 
各地の自治体で、コンピューターソフトの違法コピーが摘発され、多額の使用料・賠償金が問題となるとのニュースを見るが、厚岸町ではどうか。

答(総務課長)《要旨》 
厚岸町では、契約が1枚のソフトで200台が使えるという形をとっている。この1枚は2重カギにより厳重に管理されており、違法な使用は不可能である。また役場のコンピューターは、どの機械を誰が何時使用してどのようなことを行ったかが、すべて記録されており、行為者は直ちに特定される。職員等が勝手に違法行為をすることは事実上できないシステムとなっている。

問(室崎)《要旨》 
学校での管理体制はどうか。

答(教育長)《要旨》
学校で使われるコンピューターは、ソフトをインストール(取り込む)にはメンテナンスしている会社でしか入れられないシステムとなっており、違法ソフトを使用することは不可能となっている。

『女性の社会参加』

問(室崎)《要旨》 
女性の社会参加を促進すると、町政執行方針にも掲げられている。委員会や審議会をみても女性の数は多いとは思えないし、また部門も偏っているのではないか。基本的かつ重要な部門は男性が、補助的部門なら女性にといった色分けはないか。

答(総務課長)《要旨》
そのような意識で人選しているわけではない。ただ、それぞれ得意分野はあり結果的に偏りが出ることは否めない。いずれにしても多くの女性に参加して頂くよう施策を推進していく。

問(室崎)《要旨》 
議場を見渡しても、答弁席に女性の姿は見えない。女性の社会参加を呼びかける町が、その管理職に一人の女性もいない状態で、町民に意識改革を呼びかけて、誰かついてくるだろうか。

答(副町長)《要旨》
毎回人事異動の際面談を行い、職員の希望を聞く。その際女性で管理職を希望するものがいない。町としては、女性の登用を図りたいのだが、本人の意向等があり思うようにならない。審議会の構成等を含めできるところから女性の社会参画を進めていく。

答(町長)《要旨》
女性の地位の向上については、行政側としても努力していかねばならないし、社会自体がそういう意識になっていかねばならない、と感じている。

『発達障碍』
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障碍、学習障碍、注意欠陥多動性障碍その他これに類する脳機能の障碍であってその症状が通常低年齢において発現する」とされる近年研究が進み明確となってきたタイプの障碍、「身体」「知的」「精神」の類型に入らない。

問(室崎)《要旨》 
文部科学省の調査によると「発達障碍」とされる児童は、40人学級で平均2・5人とされている。研究が進んでわかってきたという。すべての人がこのような「障碍」に理解と関心を持つことが施策を進める上の前提になる。近隣の町でも「発達障碍」についての町民対象の研修会が行われている。厚岸町ではどうか。

答(教育委員会指導室長)《要旨》
たんに落ち着きがない、集中できないといった評価で片付けられていた子供が、調べていくとその子自身の責任ではなく、障碍を抱えているとのことが明らかになってきている。その数は6%を超える。学校では担当者の研修を多数会行っている。今後広く理解を深めるよう方策を考えていく。

答(課長)《要旨》
職員を対象とした研修を重ねている。但し広く町民を対象としたものは行っていない。今後障碍者福祉関係者の研修会を重ね、23年度には関係者を中心とした障碍者福祉フォーラムを開催する予定である。

問(室崎)《要旨》 
厚岸町において、より高度の施策を進めるために研修を行うことは大いに結構だ。ただ、そのような専門的な話ではなく、あるいはその前提として、町民皆が障碍ということを、障碍者についてきちんとした理解を持つことが大事だ。
空気が読めない、落ち着きがない、選べない、人と話ができない。単に変わっていると言うだけ でなく、社会生活を送る上で支援が必要とされる。このような障碍の類型が明確になってきてい る。私自身も幾ばくかはそのような要素を持っている、誰しも皆、そうだろう。
障碍者と健常者には境目がない、障碍者とは決して特別の存在ではないということを皮膚感覚と して皆が理解することが大事だ。

答(町長)《要旨》
今年度、地域福祉計画、障碍者基本計画の策定を通し、福祉に対する契機を迎えている、行政全 体で総合的に考えていく決意を新たにしている。

答(教育長)《要旨》
普通の子供とされている中にも、適切な支援を行うことできちんと学習ができるようになるケー スもある。学校によっては支援員の活用を広げている。現場の教師、保護者の理解と正しい認識 を得るよう施策を進める。
 

議会報告 22年3月定例会 5 予算審議2

『エキノコックス』

問(室崎)《要旨》
エキノコックスが犬から発見された、との報道があった。狐に寄生し、人間に入ると肝臓障害を起こし、場合によっては死に至らしめる寄生虫だ。犬に出たと言うことは、飼い犬に寄生している可能性があることになる。

答(保健介護課長)《要旨》
狐、野犬については調査している。飼い犬についても可能性は全くないとは言えない。道とも協議していきたい。

『ヒブワクチン』
Hib(ヒブ)は真正細菌であるインフルエンザ菌b型の略称。冬場に流行するインフルエンザウイルスとは異なる。Hibは肺炎・敗血症・喉頭蓋炎などさまざまな感染症を引き起こし、 なかでも重篤な感染症がHibによる細菌性髄膜炎(Hib髄膜炎)である。
髄膜炎とは脳や脊髄を包んでいる髄膜に細菌やウイルスが感染して起こる病気で、発症すると治療を受けても約5%(日本で年間約30人)の乳幼児が死亡し、約25%(日本で年間約150人)に知能障害などの発育障害や聴力障害などの後遺症が残る。

問(室崎)《要旨》
ヒブワクチンの接種について、近隣の自治体では接種費用の一部助成に踏み切るとの話もある。
町の対応はどうか。

答(介護保険課長)《要旨》
管内では、釧路市、釧路町、鶴居村などが助成を始まっている。厚岸町では当面、国に対し事業化を要請していく。

問(室崎)《要旨》
釧路小児科医会のコメントを見ると「国は腰が重い。市町村の動きが後押しとなって国を動かして欲しい」といっている。
細菌性髄膜炎という大きな後遺症を残す病気から子供を守るため、近隣の市町村の様に、町が率先して動くべきではないか。

答(介護保険課長)《要旨》
ヒブワクチン、高齢者の肺炎球菌ワクチンなど、ワクチン全体について、町としての対応を研究している。また予防接種法の改正を検討するとの話もあり、国の動向を見極めていきたい。

『インフルエンザ脳症』

インフルエンザをきっかけとして脳にむくみが生じる病気。6歳以下の幼児に多い。発熱に続き、痙攣(けいれん)・意識障害・異常行動などの症状がみられる。死亡率も高い、治癒しても後遺症が残ることもある。

問(室崎)《要旨》
インフルエンザ脳症の対応はどうか。

答(保健介護課長)《要旨》
インフルエンザ予防のためザワクチン接種を勧めている。接種の際に保健師がこの病気につき説明している。

問(室崎)《要旨》
この病気の特徴、こんな症状が出たら大至急病院に掛からなければならないという特徴をきちんとを町民皆に、特に子供の保護者に理解して貰うことが大事でないか。

答(保健介護課長)《要旨》
学校とも提携し、情報の提供に努めていく。

議会報告 22年3月定例会 6 予算審議3

『農業生産法人』

問(室崎)《要旨》
町内のある地区で、農業生産法人を設立し、地域全体が助け合って生きていくための農業法人の設立であると報じられている。その地域の離農者の働き場を作り、地域の人たちが共同して作業を行い、資材等の共同購入を図るとされている。
このような動きに対し町はどう支援・対応していくか。

答(産業課長)《要旨》
トライベツ地域の人たちが構想を立ち上げた。地域の人がこの地で暮らし、ずっと酪農を続け、共同して生きるいける、その思いを生かすシステムを作りたいとする。   
具体的施設や用地の確保等につき、要望を受けている。

答(町長)《要旨》
来年法人化を図るとする。この考え方は大いに歓迎したい。厚岸町として何ができるか共に協議しながら前向きに進めていきたい。

『エゾ鹿』

問(室崎)《要旨》
鹿の被害については、農業被害と市街部における被害と二つに分けられると思う。農村部、市街 地それぞれ生息数は大雑把にいってどのくらいか。

答(環境政策課長)《要旨》
道ではいろいろの方法を駆使して、北海道全体で52万頭、東部地域で26万頭と推定している。
町内の生息数については把握していない。
道の調査、湖南地区の住民の話等から鹿の頭数は大きく増えていると言える。
鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(平成20年2月21日に施行)に基づき町は被害防止計画をたてている。生息頭数の調査についても、同法に基づく事業として行えるか、検討していきたい。

問(室崎)《要旨》
農業地域、市街地共に被害は非常に大きい。効果的駆除は町民皆の望むところだ。そのための基 礎調査が必要だ。生息数の動向のみならず、鹿の行動パターンの調査も必要だ。

答(環境政策課長)《要旨》
生息域、移動経路など実態の調査が大事だと考えている。道とも協議していきたい。

問(室崎)《要旨》
町は、住民の要望を受ける形で、市街部においても猟銃による駆除を行い、一定の効果を上げている。住民からの評価も良い。只、跳弾(貫通したり、跳ね返ったりした弾がとんでもないところに当たること)を考えると危険性も否めない。また、判例を見ると、半径200メートル以内に人家が10軒ほどある場所で発砲した事例で、人家の集まっている場所では発射できないとする規定にあたるとし、有罪となっている。町民や協力してくれる猟友会の人に不測の事態を生じることはないか。

答(環境政策課長)《要旨》
道、猟友会、警察等関係者とも協議して、発砲場所や方法を決めている。なお、跳弾について別検討してはいない。法律上の問題については、道、警察、町の顧問弁護士等の専門家と充分検討しており、現行の方法で問題ないと考えている。万が一の事故の際の保険についても、北海道猟友会と相談し万全を期していく。

答(町長)《要旨》
安全第一に考えていく。
管内の鹿による農林漁業被害は約9億強と推定される。
釧路管内町村会、同農業協同組合長会、同漁業協同組合長会挙げて知事に対し、釧路管内の駆除体制強化について、強く要請していく。

『味覚ターミナル』

問(室崎)《要旨》
昨年3月議会で、味覚ターミナルは累積赤字が増えており支援が必要なこと、第三者による経営改善の委員会を作り、経営改善策を議会に示すとの話を受け、実質的に支援を含む委託料を了承した。しかし、この議会、今日まで改善策は議会に提出されない。
経営改善のための第三者委員会はいつ発足したのか、何故今期議会までにその改善策が示されないのか。

答(まちづくり推進課長)《要旨》
経営改革委員会の第一回目の会議開催は10月16日である。

答(町長)《要旨》
味覚ターミナルの中に、第三者による「経営検討委員会」を設置し、経営についての改革案をまとめて貰った。しかし未だ取締役会も、株主総会も開かれておらず、これらに報告し審議了承を得てからでないと議会に提出できない。

問(室崎)《要旨》
三月議会で論議されたものが10月になってやっと動き出す。
また取締役会や株主総会は会社内部の話だ。報告が遅れる正当理由とならない。
改革案を受けて審議するはずだった。大変遺憾だ。
今後その改革案が実行されれば、経営は改善され、またもまたもと委託料の上積み、支援が必要 になるようなことはないと、私どもは理解すればよいのか。

答(町長)《要旨》
 議会の論議を踏まえ、会社内部の委員会、また議会の第三セクター調査委員会を通じ、そういう ことがないように会社として努力をしなければならない。願わくば町の委託料が減額できるよう な会社経営になればいいなと、町長であり、社長であるものとして、そういう願いである。

議会報告 22年3月定例会 7 予算審議4

『ネット、ケータイ』

問(室崎)《要旨》
ネット、ケータイの問題について、どのような対策をとってきたか。

答(教育委員会指導室長)《要旨》
2月、厚岸町生徒指導連絡協議会主催により翔洋高校で大人を対象にした講演会を実施した。また携帯電話利用の実態調査も行っている。その中でトラブルに巻き込まれたという回答は小学校ではないが、中学校では19%、高校は16%にのぼる。
トラブルの内容は架空請求のメールを受けたというものが多い。
22年度は道教委の委託を受け、町においてサイバーパトロール(インターネット上で行う巡回活動。ネット上の有害情報や違法行為を発見するもの)を行っていく。

問(室崎)《要旨》
ネットの問題は、子供が一方で被害者となるのみならず、ネットいじめ等加害行為を行うという両面がある。問題に対する保護者や教師の理解と問題が生じたときの相談窓口の充実が必要だ。

答(教育委員会指導室長)《要旨》
便利なだけに危険な要素を持ったものだということを、児童生徒だけでなく、保護者にも十分理解して貰うよう繰り返し指導啓発していく。生徒指導連絡協議会とも連携しながら工夫を図っていく。

『心臓震盪、スポーツ障碍』

「心臓震盪」は胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態。多くはスポーツ中に、健康な子供や若い人の胸部に比較的弱い衝撃(胸骨や肋骨が折れるような強い衝撃ではない)が加わることにより起こる。これを救うことができるのは 除細動器AEDが必要。
「スポーツ障碍」とは、スポーツ(運動)をすることで起こる障害や外傷などの総称である。使い過ぎ症候群とも呼ばれる。

問(室崎)《要旨》
心臓震盪について、町はどのような対策をとっているか。

答(教育委員会指導室長)《要旨》
厚岸町でこの事故があったとの報告は受けていない。
現在心臓震盪についての対策はとられていない。
このことで関係者が協議したことはない。

問(室崎)《要旨》
体育指導員はスポーツ障碍について、協議や研修等を行っているか。実技指導者や各スポーツ団体の代表者、体育指導員といった町のスポーツ界のリーダーには、スポーツ障碍について最新の知識と意識が欠かせない。
指導法のまずさ、練習のしすぎ、根性主義などにより児童生徒が体をこわすという例は「厚岸町だけは皆無」とは言えない。

答(教育長)《要旨》
従前には間違った指導法がかなりあったと思う。スポーツ障碍については教育大に専門家の先生もいる。広く関係者の参加を要請し、研修会等を開き、理解を深めていきたい。

議会報告 22年3月定例会 8 予算審議5

『給食センター』
給食センターを白浜3丁目1番地(土木現業所の向かいあたり)に新しく建設することが決定され予算に計上された。

問(室崎)《要旨》
何故、給食センター方式を採用したのか。

答(教育長)《要旨》
センター方式、親子方式、自校方式について検討した。
建設費であるが、自校方式で各校につくるとすると11億円程度かかる。親子方式にすると湖南 湖北の2カ所となるが8億円程度、センター方式では5億7000万円程度となる。
職員についてもセンター方式に比べ親子方式でも3名ほど増える。また、親子方式で潮見高校の武道館、厚岸小学校校舎の一部を利用することも検討したが、天井高などの基準に合わず改築費は新築と変わらないことも分かった。
給食センターは、工場と看做されるので住宅専用地域には建設できない。
用地選定について、心和園のそば、情報館横の敷地等検討したが、災害時の問題や建設費の点か ら現行案に落ち着いた。

問(室崎)《要旨》
食育基本法は、教育の基本「徳育、知育、体育」の基礎をなすものは「食育」であるとしている。教育の最も基本と位置づけられている「食育」の理念から考えて、給食はどうあるべきと考えているのか。
金銭面・建設費の話だけでなく、国の将来を担う子供を育てる学校教育の一環としての給食のあり方について、どんな検討をしたのか。

答(教育長)《要旨》
大都市と異なり、1000食程度の小さな規模の給食センターである。札幌市で言うと1校乃至 親子方式の2校分程度だ。
地場産品の活用、収穫の手伝いをした食材の使用、暖かな食品提供、調理の模様の見学・研修な ど充分果たせると思う。
給食センターでできる範囲の食育については 実施していきたい。

『町立病院』

問(室崎)《要旨》
補正予算の審議の際も町長から、町立病院が医師不足のため、医師一人一人にかかる荷重が大きくなるため、町立病院としてやりたいいろいろの医療ができなくなってきている。大変苦慮している、との説明があった。
また、「広報あっけし」には内科医師が3名の内2名退職し、4月から新たに勤務する医師は1名しかいないため2名となる、現在の診療体制は維持できない。予約制はできない。との記事が載った。
受診者の中に不安が広がっている。受診計画、次の受診日までの健康保持等その間の生活のたてかたなど、予約制の持つメリットをどう補うのか。
また、医師の確保ができ次第、予約診療体制は復活させると考えていいか。

答(病院病院事務長)《要旨》
医師の不足のため、これまで築き上げてきた予約制の診療体制が維持できなくなったことは、断 腸の思いだ。予約制は患者にとっても、病院にとってもメリットは大きい。
高齢者を始めとする患者の不安を少しでも減らすため、時間や医師を指定したものではないが次期受診の目安となるもの、何日から何日の間に来てくださいと記載した案内を渡す様にしている。それと看護師からのより丁寧な説明を心がける。できる限り受診者に十分な対応ができるよう検討を進めている。
今回の措置は医師の員数不足により、予約体制を一旦止めたものであり、医師が確保できれば予約体制を復活する。

問(室崎)《要旨》
「広報あっけし」の記事によると、4月から新しく1名着任するということだが、4月何日から 現実に病院業務に入るのか。

答(町長)《要旨》
広報で出した当時は4月からの赴任であったが、先方の事情があり10月からとなった。とりあ えずの医師確保に奔走しているしている。
医師確保は大変難しい問題である。地域医療に邁進する医師は少ない。なかなか町民の要望に添 い得ない現状である。

問(室崎)《要旨》
そんな話を今ここで初めて聞かされるとは思わなかった。
町民に対して大事な情報をきちんと包み隠さず知らせて欲しい。
臨時的にでもその間、任について下さる医師を早急に確保して欲しい。

答(町長)《要旨》
各地に於いて、医師不足のため問題が起きている。4月1日からとりあえずの間医師確保のため に全力を尽くしている。この議会が終わったら、東京や札幌に行くことも決まっている。
いろいろな手だてで動いている。

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このほか、地域交流センター条例、地方交付税の動向、100万人キャラバン・認知症サポーター養成事業、児童虐待、地域でのリハビリ体制の充実、コンポスト容器の利用、水源涵養林、悪徳商法対策、アヤメの保護、ツナミと避難、緋鮒、外来生物、国保会計等について質問しました。 

いろいろご意見があると存じます。 皆さんのお考えをお聞かせ下さい。


疑問点のある方、詳しく知りたい方、お問い合わせ下さい。
尚、議事録は議会事務局、情報館にあります。また、議事録は厚岸町のホームページにも登載されます。(必要な方は私宛お申しつけ下さっても結構です) 
今後とも一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。