2009年4月20日月曜日
1 視察の目的
道内先進地における諸施策の実施状況を視察調査し、当町の現状を踏まえて今後の議会活動に処するため。
2 視察目的等
(1)期間 平成20年11月26日~11月28日 3日間
(2)視察先及び調査事項
┌───────┬──────┬─────────────────────┐
│ 月 日 │ 視察先 │ 調 査 事 項 │
├───────┼──────┼─────────────────────┤
│10月27日 │ │ │
│ 9:15~12:10│ 奈井江町│ 「健康と福祉の町」づくりについて │
├───────┼──────┼─────────────────────┤
│10月28日 │ │ │
│ 9:00~11:30│ 奈井江町│ 「もの忘れ散歩のできるまち」事業について│
└───────┴──────┴─────────────────────┘
3 参加委員等
委員 室﨑委員長、佐々木副委員長、高橋委員、安達委員、石沢委員
随行 保健介護課久保課長、福祉課土肥課長、町立厚岸病院髙橋医事係長、
議会事務局田﨑係長
4 視察対応者等
奈井江町
議長 笹本正男
議会事務局長 篠田茂美
副町長 三本英司
健康ふれあい課長 小澤敏博
同上健康づくり係長 鈴木久枝
奈井江町立国民健康保険病院医事係長 東藤美妃代
本別町
議長 笠原 求
産業厚生常任委員長 小笠原良美
議会事務局長 小枝 剛
副町長
総合ケアセンター所長
総合ケアセンター所長補佐
厚生文教常任委員会道内先進地行政視察報告書 -2-
5 視察内容
以下の目的を持って、奈井江町・本別町を視察した。尚、事前に入手できる資料は、出来る限り入手し調査をした。(事前入手資料を含め、資料は別に添付する)
1.奈井江町
奈井江町は、札幌市から 68km 旭川市から 68.8kmで、砂川市とは平坦で地味 肥沃な農地で接している。面積は88.05㎢、中空知郡のやや北部に位置する。
平成20年10月現在で、人口は6,575人、世帯数3,038世帯、高齢化率 32.9%と なっている。
奈井江町は「健康と福祉の町」を標榜する。
このキャッチフレーズに対応した町の施策展開並びにそれを行う体制について視察 したい。特に奈井江町健康づくり計画「奈井江すこやかプラン21」と病院のオー プンシステム・医療連携について視察したい。また、平成18年立案の奈井江町健 康づくり計画「奈井江すこやかプラン21」の内容と立案から事業展開に至るまで の過程を聞きたい。奈井江町に於いて病院のオープンシステム・医療連携を構築し たその経緯についても聞きたい。
との目的を持って奈井江町を訪問した。
平成20年11月27日 午前9時00分より、町役場議員控え室において、担当課長並びに職員より説明を受けた。
(1)病診連携、病病連携について、
A 奈井江町は「健康と福祉のまちづくり宣言」を平成6年8月に行った。
その施策は以下の三つの柱からなる。
① 「福祉の国際交流」
厚生省(当時)の仲立ちによりフィンランド共和国ハウスヤルビ町と友好都市 となっている。
同町への派遣者数は町民、議員、職員合わせて81名に上る。職員の場合、滞 在期間は1ヶ月にも及び、特に教育・福祉の分野に関し成果は大きい。
② 「空知中部広域連合」
中空知1市5町(歌志内市、奈井江町、浦臼町、新十津川町、上砂川町、雨竜 町)により構成され、介護保険の広域処理、国保事業及び老人保健業務、障害 程度区分審査会業務を行う。
③ 「オープンシステムの導入」
平成6年町立国保病院(奈井江町立国民健康保険病院)の全面改築にあわせて、 オープンシステム(病診連携開放型共同利用病院)の導入が図られた。
このシステムは老人保健施設「健寿苑」老人総合福祉施設「やすらぎの家」に も導入されている。
町役場の組織も「地域包括ケアの実践」という観点から健康ふれあい課の中に 町立国保病院、老人保健施設「健寿苑」、老人総合福祉施設「やすらぎの家」、 保健センター、地域包括支援センターが含まれる形となっている。(健康ふれ あい課長は病院事務長、老健事務長を兼務)
厚生文教常任委員会道内先進地行政視察報告書 -3-
B 病診連携開放型共同利用病院
① 開放型共同利用病院とは、地域で開業医をかかりつけ医としている住民が、町 立国保病院に入院する場合、今までかかっていた開業医の先生をそのまま主治 医にして入院できるシステムである。この場合、今まで診ていた開業医は主治 医となり、入院先の町立国保病院の医師は副主治医となる。
今まで診ていた開業医は町立国保病院まで回診に行き、病院の勤務医と共同で 診察にあたる。看護スタッフも共同して看護に携われる。
② このシステムの良さは、以下の点にある。
長年信頼を寄せていたかかりつけ医、その看護スタッフから切り離されず、継 続性が保たれることで患者の精神的安定が図られる。
開業医が町立国保病院の医療機器などの設備を自由に利用出来る。即ち、高額 の医療機器や高度のシステムあるいは人員を独自に持たなくとも、電話1本で 病院側が対応し、検査結果は勤務医のコメント付きで開業医に返送される。開 業医はその意見を参考にしながら診断できる。
医師同士の連携だけではなく、看護スタッフや他の医療スタッフの力の連携共 同により住民の生命・健康の維持が図られる。
③ 町立国保病院は診療科目4科(内科、整形外科、眼科、小児科)となっている。
ベッド数96床、一般病棟46床(内開放型病床12床)、医療療養型病床群 20床、介護療養型病床群30床で、病床割合から見ても慢性期の患者を中心 とした医療に力点が置かれていることがうかがわれる。
なお、介護療養型病床群30床は国の方針により平成24年をもって廃止され る。奈井江町はこの患者を介護難民・医療難民としないため、「介護療養型老 人保健施設」への切り替えの検討を行っている。
医師は常勤・非常勤・嘱託合わせて9名となっており、看護師は正・准・助手 含めて52名、一般病棟15:1の体制である。
④ この制度は開業医の登録が必要であり、空知医師会の協力を得ている。
しかし、実際に利用するのは、町内の3医院に限られている。
診療報酬は、登録医(開業医)は3,500円(350点)、病院は2,200円 (220点)となる。また、介護型療養病床、老人保健施設、特別養護老人ホ ームについては費用弁償として1日1回あたり3,500円を支払う。
診療報酬上患者負担は増となるが、制度の趣旨や利点を理解して貰うよう医事 係長と主治医からよく説明している。患者には安心感をもって受け入れられて いる。
⑤ 平成19年度は町立国保病院の医師3名との連携で事業が運営されており、延 べ利用人数2,735人1日平均7.4人となっている。
また、高度医療機器共同利用などについては、CTスキャン51件、生化学、 病理等病院検査施設の共同利用は、11,189件である。(臨床検査技師が毎 日2回、午前と午後に検体の収集を行う)
また、老健、特老への継続診療は「健寿苑」が延べ3,364人(日平均9.2 人)、「やすらぎの家」が1,961人(日平均5.4人)となっている。
⑥ 奈井江町では町立国保病院の改築構想と共に町の地域医療体制の整備を図るべ く、平成元年「地域医療懇話会」が設置された。
ここで地元医歯会、町議会、行政の関係者が集まり、新しい地域医療のあるべ き姿や医療・保健・福祉の連携のあり方について時間を掛けて協議をした。そ の中から「安心して医療を受けられるシステム」「かかりつけ医の確立」を目 指して平成6年、病院の全面改築を機に「病診連携開放型共同利用事業」がス タートすることになる。
現在は奈井江町医療連携運営委員会として、医歯会7名の医師・歯科医師、副 町長、町立国保病院院長による協議の場を設け、医療・保健・介護について継 続的に協議を行っている。
このほか、以前から開催されていた、医歯会・教育委員会・学校長・養護教諭 の4者による「奈井江町学校保健懇談会」に平成15年保健師が加わり、保健 師の目から見た子供の健康づくりに関する専門的な助言を学校側が受けること ができるようになった。また保健師は養護教諭から学校や家庭における子供の 健康管理に関する情報を得ることができる。
学校と家庭を、保健を通して繋ぐ包括的体制が構築されている。
⑦ このような「病診連携開放型共同利用事業」がきちんと出来るかは、結局のと ころ人の問題といわれる。この取り組みに関わる人たちが、どれだけその趣旨 や理念を理解するかにかかっている。医療は共同作業であり、医師、看護師、 そのほかの医療スタッフ、事務局員などすべての職員、関係者の十分な理解な しには開放型共同利用や病診連携は成り立たないし持続出来ない。
また、病院の勤務医と開業医が同等の立場に立って、この事業を構築していく ことが必要である。
この制度を導入したものの、引き継ぎがうまくゆかず、後継スタッフは外から 来る患者に関わりを持ちたがらず、患者を送っても検査は後回しにされ、開業 医も一般入院患者として送り込み、自分は回診に行かないといった状態になっ た例もある。
また、行政の役割も大きい。行政がこの事業の趣旨をよく理解し、積極的に取 り組んで行くこと、首長の見識とリーダーシップに負うところ大なることは言 うまでもない。
今後における課題は、当初の立ち上げに関与し、熱い思いを以て構築に参加し た人々がいなくなった後、どのようにこの意識を継承しシステムを発展させて いくか。また行政として支援体制をきちんと保っていけるか、にあるとする。
C 砂川市立病院との医療連携
① 平成17年10月20日奈井江町は砂川市との間で自治体病院の再編、ネット ワーク化を推進し、医療資源の有効活用により、安定的・継続的な医療供給体 制を確保するため、砂川市立病院と奈井江町立国保病院の医療連携に関する協 定を締結した。
内容は、以下の8項目に及ぶ。
ⅰ 医師の派遣に関すること。
市立病院からの医師派遣を受ける。
臨床研修医協力施設として研修医を町立国保病院が受け入れることで、訪問 医療などの市立病院ではできない研修が可能となる。
ⅱ 病床の有効利用に関すること。
急性期医療と慢性期医療の区分に応じた病床の有効利用を図る。
ⅲ 患者の紹介に関すること
市立病院からは、急性期治療を終えた入院患者を紹介し、町立国保病院から は入院が必要な外来患者を紹介する。
ⅳ 医療機器等の共同利用に関すること。
共同利用が可能な高度医療機器は、CT(コンピュータ断層撮影、Computed Tomography ),MRI(核磁気共鳴画像法、Magnetic Resonance Imaging), R I(核医学検査装置Radio Isotope)など。
ⅴ カンファレンス、研修会等の合同開催に関すること。
それぞれの病院で開催しているカンファレンス(臨床検討会)や研修会を合 同開催することで双方のレベルアップを図る。
ⅵ 医療情報の共有化に関すること。
患者の紹介に伴い、患者に関する医療情報を共有化する。転院先での医療内 容がわからないといった不安が解消され、医師も転院後の治療過程が分かる。
ⅶ 総合情報システムのIT化に関すること
電子カルテシステム、画像転送システムの構築、総合情報システムの統合を 図る。
ⅷ 病院の運営形態の検討に関すること
効率化の徹底、地方公営企業法の全部適用、地方独立行政法人等の経営手法 の検討、保健・医療・福祉に係る総合的広域連合の検討を行う。平成22年 度を目途とし実施可能な事項から逐次実施するとしている。なお、医師の派 遣は既に行われている。
② 今日、病院と病院の連携は個々の病院の問題ではなく、効率的医療サービスを どう提供し、その地域でどのように住民の健康を支えていくか。解決の急がれ る大きな課題である。
医療連携とは、地域の医療機関が施設の実情に応じ、医療の機能分担や専門化 を進め、相互に連携をはかることで、CT,MRI等の高度医療機器や専門医 療技術を有効に活用し、地域住民が都市部の大病院に行かなくとも適切な医療 を受けられることを目的とする。即ち、1つの病院がすべての医療機能を提供 するのではなくそれぞれの医療機関がもっている特有の機能を生かしながら役 割を分担していくものである。
奈井江町は地域の中核病院である砂川市立病院と町立国保病院との医療連携を 行うことにより、1次医療・2次医療の役割を明確にし、今日の急性期医療、 高度化専門化する医療ニーズに対応しようとする。
③ 砂川市立病院は、診療科目18科、医師数67名、病床数519床の病院で、 中空知地域センター病院、救急告示病院、へき地医療拠点病院、災害拠点病院、 地域周産期母子医療センター、地域がん診療拠点病院、第2種感染症医療機関 等の指定を受けている。
今回の医療連携は、町立国保病院にとっては高次医療の提供、安定的継続的医 療の提供が可能となると同時に、拠点病院である砂川市立病院にとっても町立 国保病院との役割を明確にすることで医療の水準を上げ、へき地医療・がん診 療機能の強化充実につながる。
④ この医療連携により、
ⅰ 新臨床研修制度による連携、小児科医師の派遣が行われている。
ⅱ 脳卒中地域連携パスが行われている。
クリニカルパスとは、一定の疾患・疾病を持つ患者に対して、入院・指導・ 検査・ケア処置・退院指導などの計画をたて、スケジュール表にまとめるも の。
地域連携パス(地域連携クリニカルパス)とは、患者の治療・看護・介護・ リハビリ等多くの関係者が協議して、患者の情報を切れ目無く受け渡し、そ れぞれの施設などに於いて的確な処置が可能となり、地域が一丸となって関 わっていくことを可能にするというもの。
地域連携パスを導入することで、診療計画を協議して計画の素案を作り、そ れに基づいて患者の紹介をすることができる。
ⅲ 研修会の合同開催が行われている。職員の資質向上が図られる。
脳卒中地域連携パス研修会、NST(栄養サポートチーム)研修会、医療安 全管理研修会などが行われ効果を上げている。
⑤ 今後における課題としては、病院同士連携だけではなく、開業医を含めた地域 の病院・開業医が役割分担をきちんとした上で、情報ネットワークシステムを 作っていくことが大事である。患者の状態に応じた医療機関の機能分担と情報 の共有をはかるシステムづくりが求められる。
(2)「奈井江すこやかプラン21」について
① 町は「奈井江すこやかプラン21」を平成18年3月に策定した。
平成13年、国の基本計画「健康日本21」、道の「すこやか北海道21」、中空 知地域「健康づくり行動指針」をうけ、奈井江町健康づくり計画「奈井江すこや かプラン21」づくりにとりかかった。
② 最初に行ったことは、町民の健康についての分析、実態把握である。
成人健康診断のデータから以下の特徴が明確になった。
ⅰ 死亡原因では、
がん・脳血管疾病・心臓病による死亡が全体の6割を占める。これは、食事・ 運動・休養などの生活習慣の改善により予防出来るもの。
ⅱ 男性では、
血圧が高め、肥満が多い、貧血が多い、肝機能の数値が高め、40~50代の 運動不足傾向、喫煙率が高いという特徴がみられる。
ⅲ 女性では、
血圧が高め、肥満が多い、肝機能の数値が高め、若い層での喫煙率が高いとい う特徴がみられる。
ⅳ また、奈井江町では小学校3年生から高校生までの健康診断が行われており、 その結果から、
子供が太り気味であること、高脂血症の傾向が小学生からみられる、子供の糖 尿病のリスクが高い、男児に高尿酸や軽度の貧血傾向がみられた。(データの 偏りを防ぐため、学校での身体検査の身長・体重の無記名データと比較し、傾 向に差のないことを確かめている)
ⅴ さらに問診結果から、子供について
野菜の摂り方が少ない、お菓子や甘いジュースの多量摂取(中高生に顕著)、 運動不足の傾向(運動については、部活等で運動している子供と運動をしてい ない子供のタイプの差が大きい)などの特徴が判明した。
③ 国が「健康日本21」計画を誕生させた背景には、人口の急激な高齢化、食生活 や運動など日常生活のあり方を原因とする生活習慣病の増加、それに伴う社会的 負担の増大という問題がある。奈井江町においても健康を増進し、発病を予防す る「一次予防」に重点を置く対策の必要性は同様である。
ただし、健康増進計画を作るにしても、行政主導で机上で立案し、さあやってく ださいといっても町民は動かない。まずは計画づくりの「土壌づくり」から着手 した。
④「健康づくり応援団事業」を始めた。
ⅰ 町の健康づくり活動を推進するため、健康づくり活動の実践者・リーダーとな る「健康づくり応援団」をつくる。ここでは、なぜ健康が大切なのか、何のた めの健康なのかを町民に理解してもらう。
「ヘルスプロモーション」「住民が主役」「地域力、つながり愛」「世代間交流」 をキーワードに、奈井江町の健康づくり計画「奈井江すこやかプラン21」が 健康を究極の目的としているものではなく「健やかで心豊かに生活できる、い きいきとしたまちづくり」を目指すものだと理解して貰うため、町民と一緒に 考える機会を作った。
ⅱ「健康づくり応援団実践講座」
「住民参加による健康づくり」「ヘルスプロモーション」など各種のテーマによ り、専門家の話を聞いたり、ワークショップ、運動、ストレッチ、調理実習、 交流会など多様なテーマによる講座が開催された。その内容は、健康づくり応 援団の町民自身によって決められていった。
町民同士による話し合いが楽しい、自分の意見が行政に生かされていくことが 体験できるといった感想が寄せられた。
また、健康フォーラム、健康教室等の事業に、健康づくり応援団のメンバーが ボランティアとして参加するようになった。
ⅲ「健康づくり応援団」は健康をキーワードにしたボランティア活動として定着 した。
自分の健康づくり、家族の健康づくり、地域みんなの健康づくり、をテーマに 高齢者の健康のために、子供達の健康のために、子供を持つお母さんの健康の ために、働き盛りの健康のために、主婦の健康のために、みんなの健康のため に、いま何が必要かを考えながらよりよい社会を創る活動に育っている。
⑤ 計画づくり組織であるワーキングチーム・計画策定委員会・庁舎内プロジェクト チームをつくる。
ワーキングチーム・計画策定委員会は公募したが、応援団が土台となった。(応 援団の人たちが多く参加し、中心となって活躍した)
ⅰ ワーキングチーム
ワーキングチームは54名、「栄養・歯」、「運動・身体機能」、「こころ」、「た ばこ」の4領域について、グループを作り、各自問題点を挙げ、その解決につ きどうすればよいか話し合いを行う。各テーマに付き、「自分や家族で出来る こと」「地域みんなで出来ること」「行政ですること」に分けて検討した。
ⅱ 計画策定委員会
計画策定委員会は20名、ワーキングチームから出された内容につき、目標設 定及び検討内容の整理を行う。
健康意識アンケートの内容検討と課題の抽出、ライフサイクルを意識した内容 の検討が行われ、各ライフサイクルのキャッチフレーズを考案し、計画書の内 容についての最終意見交換が行われた。
ⅲ プロジェクトチーム
プロジェクトチームは、健康づくりに関連のある担当課から9名と保健所によ って構成される。
ワーキングチーム、計画策定委員会の意見、内容の検討のうえ、各課からの課 題を提示し、「行政ですること」の取り組み内容を検討した。「行政でできるこ と」ではなく「行政ですること」としたことに意味がある。(役場内部では抵 抗があったことも事実である)
ⅳ 奈井江町医療連携運営委員会
奈井江町医療連携運営委員会は奈井江町医歯会・学識経験者等により構成され ており、計画づくりにつき報告し、その意見を受けた。
国は《メタボ》と特定項目の検診を進めるが、この指標だけではわからない病 気も多く、奈井江町においては、総合的健康管理・健康づくり計画が必要との 貴重な意見も出された。
奈井江町医療連携運営委員会とは、その都度懇談会などを持ち、助言・意見を 受ける体制になっている。
ⅴ 保健所との連携
健康づくり応援団の立ち上げの時から、保健所の助言を受けている。
計画策定についての素案づくりから、打ち合わせ、助言、各組織への参画をし てもらい、スーパーバイズ(計画の進行に対する第三者からの監督、統括、支 援)を受ける。何か困ったら保健所と相談出来る関係を作ってきた。
⑥「奈井江すこやかプラン21」
ⅰ 平成18年3月策定、議会に報告した。
ダイジェスト版は勿論のこと、計画書はなるべく分かりやすく文字を少なく、 絵や図版を多数用い、見やすいものとすることを心がけた。
ⅱ 策定にあたっての特徴
検診結果の分析、町民の生活スタイルや健康意識の調査、児童生徒の実態調査 など、実態の把握に努めている。
町民、食生活改善委員会、健康づくり応援団などの関係者からなるワーキング チームをつくり、その意見をもとに策定委員会を組織する。
さらに行政関係者でプロジェクトチームをつくり、町の現状と特長を生かした 計画づくりを行った。
ⅲ 基本方針
指針1 住民参加、住民主体の健康づくり。
町民の考え方が健康づくり対策に生かされるよう、町民の声を大切に進める。 指針2 生活習慣の改善を視点に。
食生活、運動、ストレス、喫煙などの生活習慣に合わせて、健康づくりのため に取り組みやすい内容を考えた。
指針3 健康づくり活動推進のための環境づくり。
健康なまちづくりを進めるために、関係者が手を取り合って協力し合い、地域 全体で積極的な健康活動づくりを進める。
ⅳ 内容の特徴
ライフサイクルに応じた健康づくりを明確に打ち出している。
「すこやかポイント」を各年代の「ライフサイクル」ごとに分けて検討し、健 康づくりを「栄養・歯」、「運動・身体機能」、「こころ」、「たばこ」の4カテゴ リーに大別した。
目標に対する評価の指標を明確化している。
各カテゴリーに対し目標設定をすると共に、評価の指標を定め取り組み内容を 整理した。
計画推進と評価についての検討。
計画の推進体制を、計画の中に記載した。
「奈井江すこやかプラン21推進委員会」「奈井江すこやかプラン21推進町民 委員会」を立ち上げ、計画推進とその評価を行う。
「推進委員会」は、関係者により構成されるものと、町民により構成されるもの の2種類を設置、計画を作って終わりにならない。
重点項目を一度に全て達成するのは難しいので、各年度ごとに重点事業を設定 し、計画を推進する。
本別町は十勝地方の東北部に位置し、面積は391.99㎢、足寄町と池田町に隣接す る。 平成20年4月現在で、人口は8,696人、世帯数3,938世帯、高齢化率 31.19 % となっている。高齢化率は毎年1%に近い割合で進み、それに比して一人暮らし高 齢者や高齢者夫婦世帯も増えている。
本別町では平成8年に「地域医療推進構想」を策定し、平成12年に本別町国民 健康保険病院(国保病院)、民間老健施設、行政の総合ケアセンターを、保健・医 療・福祉ゾーン「太陽の丘」として1カ所にまとめ、整備した(病院は60床、老 健は80床)。 総合ケアセンターには、行政の高齢者福祉・障害者福祉・在宅介護 支援センターと社会福祉協議会及びヘルパーステーションが入っている。
本別町は認知症高齢者を地域で支える事業を展開している。
現在、どの町も団塊の世代が後期高齢期に入る2015年迄に、認知症高齢者を地 域で支えるシステム作りが急がれている。本別町のこの事業は、今、焦眉のこの課 題に対するさきがけとなるもので、厚岸町にとり大変参考になると確信する。
また一課一係の仕事ではなく、関連する部署機関が一体となって一つの目的に邁進 する体制・システムを視察したい。
との目的を持って本別町を訪問した。
平成20年11月28日 午前9時00分より、本別町総合ケアセンターにおい て、担当職員より説明を受けた。
(1)認知症高齢者地域ケア推進事業「もの忘れ散歩のできるまち ほんべつをめざ して」
① 平成10年介護保険の開始に向け、国からの要請を受け高齢者の実態調査を行 った。
ⅰ この調査の結果、要援護高齢者のうち、施設で7割、在宅で4割と多くの人 に認知症の症状が見られた。
認知症についての相談は、中度・重度の場合で、在宅介護が破綻した状態に なってからのものがほとんどであった。もう少し早く相談をしてくれればと 思われる場合が多かった。
ⅱ 今後、後期高齢者(75歳以上)の増加は必至で、これに伴い認知症高齢者 の増加が予測された。介護保険だけでは対応できない。介護保険と合わせ、 認知症高齢者対策をきちんと行わなければならないと考えた。
② 平成11年、地域ケア研究会を立ち上げる。
ⅰ これは保健福祉課や病院をはじめとする保健・医療・福祉の関係者、介護サ ービス事業者、社協、民生委員などの福祉団体や地域住民代表、そして学識 経験者(アドバイザー)として長野大学鷹野和美教授をメンバーとする。 ⅱ 介護者を通して、アンケート調査を行った。その中でいくつかの課題が明確 になった。
家族が認知症になっていると思っても、どこに相談していいか分からず、相 談に結びつくまで1年以上かかる人が5割を超える。
医師の診断を受けた人は4割程度にとどまる。
地域の、隣近所の支援を受けたことのある人は3割程度にすぎない。
ⅲ 以上の明らかになってきた問題の解決のため、まず3年間の事業展開を定め、 各年ごとの重点項目を定めた。(12年から具体的事業が始まる)
③ 住民と関係者に認知症を正しく理解して貰うための啓蒙・啓発活動を行った。
ⅰ 認知症の初期の状態を説明するパンフレットを作り、全戸配布をした。
ⅱ 住民参加による介護劇を行った。
当初は役場職員が舞台に上がったが、住民・関係者が参加することで、理解 が深まった。当初観客は200名位、後になると300~400名位の人が 来場する。
ⅲ 福祉講演会を行った。
アドバイザーである長野大学鷹野和美教授による認知症の講演を行う。
ⅳ 介護を担当する専門職の学習会を行った。
ケア担当者がきちんと理解していないと、認知症を悪化させる場合がある。
④ 平成12年より自治会を単位とした認知症予防教室を開く。
ⅰ 保健師と地域住民の協同事業として行う。
地区民生委員、老人クラブ、自治会役員などと保健師が一緒になって、1年 間月1回の割合で開催する。
1年たって、やり方が分かったところで、地区の自治活動として定着する。
ⅱ 町の保健センターなどで行う○○教室は、そこまで出てこられる元気なお年 寄りの集まりになってしまう。自治会単位にしたことで、本当に必要な人が 自宅のそばの歩いていける、顔見知りの集まりに参加できることが大事と考 えた。
町内全ての地区で一斉に行うことは不可能、1年間に1~3の自治会でこの 事業を行い、年々数を増やしている。
ⅲ 内容は
自己紹介、手遊び、オセロ・碁・将棋などのゲームなど、各地区で話し合い 自主的にメニューを決めている。
元気なお年寄りが、弱った高齢者の面倒を見ることで、介護予防につながる。
⑤ 平成13年 早期診断体制、医療との連携を図る。
ⅰ 認知症の相談は保健師やケアマネージャーが受けていたが、医療に繋ぐため、
国保病院(総合ケアセンターの隣)に認知症担当医(内科医)を配置した。
また、ソーシャルワーカー(医療福祉相談員)が窓口になって相談に乗り、 診察の必要な人、医師との相談の必要な人など振り分けを行っている。
ⅱ 国保病院には、北海道の精神科サテライトクリニックがある。これは週に一 度、帯広などから医師が派遣され、慢性期のフォローのみを行うものであっ たが、病院同士で協議し、国保病院で検査等を行い、データをそろえて紹介 する患者を診ることになった。認知症につき、地元の病院で精神科医への受 診が可能となった。
ⅲ 平成15年「ものわすれ外来」を開設した。
一時担当する医師が不在となり休診したが、平成19年再開している。
⑥ 平成14年家族を支援する事業を始める。
ⅰ 家族支援、介護者支援の視点から、地域で・住民の手で支援ができないか、
家族と本人にやすらげる場を作ることを考えた。
認知症高齢者の家族は、同居別居を問わず常時見守りをしていなければなら ない。介護サービスを利用していても、家族の負担は軽減されていない。本 人も、サービス利用のない日は家に閉じこもりがちになる。不安や寂しさか ら周辺症状(徘徊、譫妄など)が生じることもある。
会員相互の支援として留守番サービスを行っていた「在宅介護者を支える会」 や関係機関、部局と協議し、準備に1年をかけ、 介護家族、サービス事業者、 ケアマネージャー、地域ボランティアなどの声をもとに事業を組み立てた。
ⅱ 「やすらぎ支援事業」
認知症高齢者を介護する家族を支援する事業。
地域の研修を受けたボランティアが家庭を訪問し、見守りや話し相手をする。 その間家族は息抜きができる。
家族にとっては、介護からの開放時間、認知症の人への関わり方を学ぶ機会 となる。他人が入ることで自分の肉親をゆとりを持って客観的に見ることが でき、新たな本人像を発見することにもなる。
本人にとっても、安心できる、穏やかな時間をもてる、家の外とのつながり ができる。
認知症高齢者家族自治体支援事業として始める、平成18年度からは地域支 援事業の任意事業となる。全国でも珍しい事業として注目を浴びる。
ⅲ 事業主体は町、コーディネートはケアマネージャーが行う。
活動は、有償ボランティアとして「在宅介護者を支える会」が中心となって 担っている。平均年齢は67歳、同時代を共有できることが大事と言う。
利用料金は1時間100円、支援者には1時間400円を支払う。利用者は 10名程、支援者として登録している人は25名となっている。
利用者には、周辺症状がみられなくなり、笑顔がみえるなど、精神的落ち着 きを取り戻す効果が顕著にみられ、介護度も進まず在宅の継続がはかられる。
⑦ 平成14年「もの忘れ地域ネットワーク事業」を、社会福祉協議会が中心とな って具体化する。
ⅰ 地域ケア研究会の会員、特に住民の代表の皆で、地域で認知症高齢者を支え るにはどうすべきかを考える。
認知症に対する理解不足もあいまって、認知症高齢者を地域から排除する傾 向がある。
たとえ認知症になっても、今まで暮らしていた地域との関係を断ち切られる ことなく暮らして行くにはどうすべきか、隣近所の人が見守りや生活支援を するにはどうすべきか、を考えた。
ⅱ 平成17年、一つの自治会をモデル地区として事業を展開する。
社協の職員、保健師、地域のワーキングチームが月1回集まり協議する。
支援対象者を地域で把握する。認知症予防教室の周知を行う。
不参加の住民にいろいろな問題のある場合が多い。不参加の人の把握と支援 のあり方を協議する。
地域住民主体の事業を社協、行政がサポートする。
その中で認知症高齢者を発見したり、困りごとの相談にのるいとぐちをつけ たり、住民が認知症予防視点を持つとの効果を上げることもできた。
この結果を受け19年度からは新しい地区(2地区)での事業が立ち上げら れた。
⑧ 平成15年、国(厚労省)は「認知症を知り地域をつくる10カ年」キャンペ ーンをスタートさせた。本別町も平成17年この中心となる事業の「認知症サ ポーター100万人キャラバン事業」を実施した。
ⅰ 認知症を理解し、認知症の人や家族を暖かく見守り支援する人(サポーター) を一人でも多くつくり、認知症になっても安心して暮らせる町づくりを住民 の手で展開していく事業、現在、全国各地で行われている。
養成講座は2段に分かれる。まずサポーター養成講座の講師となるキャラバ ン・メイトを養成する。キャラバン・メイトが講師となって認知症サポータ ーを養成する。
ⅱ キャラバン・メイトには、在宅福祉ネットワーク、在宅介護者を支える会、 やすらぎ支援員、介護相談員など、今まで行ってきた多様な事業に参加して きた人を中心に呼びかけた。
キャラバン・メイトが講師となっての認知症サポーター養成講座は自治会、 JA女性部、学校、建設業協会など多様な方面で開かれている。
平成19年現在、キャラバン・メイト94名、認知症サポーター507名と なっている。
ⅲ 平成19年、事業を始めて2年がたち、キャラバン・メイトによる自主研修 が少なくなってきたこともあり、認知症高齢者が暮らしやすい地域づくりを 再確認するため、フォローアップ研修を実施している。
今後各地域のキャラバン・メイトの連携した講座の開催を目指す。
⑨ 平成18年、SOSネットワークの再構築を図った。
ⅰ SOSネットは、徘徊などでお年寄りが行方不明になったとき、行政、警察、 町内の関係機関などが連携し、捜索に当たる「緊急システム」。
十勝地区は、各保健所管内で設立されていたが、平成18年本別町は生活圏 単位で、この再構築をはかった。
ⅱ 事前登録のシステムを導入し、高齢者、障害、病気などで徘徊のおそれのあ る人に勧めている。希望により、前もって(徘徊のおそれのある)認知症高 齢者等の登録をして貰う。前もって高齢者等の情報が共有されていることで、 捜索が素早くできる。(勿論、登録者以外の人も緊急時の対象となるが、前 もって特徴等が登録されていることで関係者への連絡も早く、その分捜索、 発見も早い。)
家族の希望や承諾があれば、登録情報を地域に公開する。地域でその高齢者 等の見守りが行われる。
自治会長、民生委員や発見に必要な機関には登録者の特徴を含めた情報が渡 されている。個人情報保護の壁を破ることができる。
現在登録者39名、この方式を始めるとき担当者が予想したよりも遙かに多 い登録があった。今まで行われて来た多様な事業により、認知症高齢者に対 する地域全体の理解が進んだためと思われる。
(2)10年間の成果
① 担当者から見て
ⅰ 早期の相談が増えている。
予防段階からのマネージメント、支援ができる。
ⅱ 相談の内容が変化している。
施設や医療機関への入所・入院の相談から進行防止のための相談へと変化し ている。
ⅲ 認知症、痴呆症との言葉にそう抵抗が無くなった。理解が浸透してきた。
ⅳ 関係機関、部局、地域住民、医療機関の連携が深まった。
民生委員とはお互い高齢者福祉に関わる活動との判断で情報の開示・共有が できている。
② 地域の変化・住民の意識の変化
ⅰ 協働事業の展開により、住民同士、住民と行政、住民と事業所など人のネッ トワーク化が進む。
ⅱ 認知症の理解・早期発見などに、地域住民の力量が向上した。
問題意識の変化が生じ、医療福祉の問題解決が単に行政の課題としてとらえ るだけでなく、地域も含めた問題として考えるようになった。(「そんなこと は行政の仕事」から「一緒に考えて一緒にやろう」に)
③ 事業の効果
ⅰ 元気なお年寄りの活躍(社会参加)の場ができた。
自分を必要とする人がいる。生き甲斐が本人の介護予防につながる。
ⅱ 元々地域にあった人的資源に付加する形で、認知症予防教室協力員、認知症 サポーター、認知症キャラバン・メイト、見守り(やすらぎ)支援員など、 いろいろな地域での活動が組織化され役割を果たしている。
④ 「もの忘れ散歩のできるまち ほんべつをめざして」の事業は、
ⅰ 認知症への理解
ⅱ 地域とのつながり
ⅲ 認知症があっても自立 の三つをテーマに
「認知症になっても」「今まで通り」「ここで暮らす」
ことを目的に今後も進めていくと聞いた。
厚生文教常任委員会道内先進地行政視察報告書 -7-
今回は、医療連携、健康づくり、認知症高齢者対策と医療、保健(予防)、福祉の分野でのすばらしい施策展開を視察した。何れも、住民の生命、健康に関するもので、行政の存在意義が最も強く問われる分野である。
話を聞いていて、特に強く感じたことが何点かあった。
① 何れの町も課題を的確にとらえて、何が問題で、何を解決しなければならないか。 住民が真に必要としているのは何か、を明確に示している。問題の的確な認識がな ければ、有効な解決はあり得ない。
奈井江町では、病院の建て替えを機に住民の生命・健康を守るこの地の医療体制を どうするか、という視点から施策が展開されている。また、健康づくり事業では、 国の方針を形にとらわれずきちんと自分のものとして取り入れ、健康づくりの計画 策定の前提として、なんのために健康づくりの計画が必要なのかを、町民にわかっ て貰うための事業を行っている。
本別町では、調査で浮かび上がった、認知症高齢者の数の多さとその状況を、解決 すべき重要課題としてきちんと捉え、行政、医療機関、関係団体、住民が一緒にな って考え、努力する体制を作っている。
② 問題解決に向かって住民の力を結集する、行政の役割が明確に示されている。
奈井江町の開放型病床に象徴される、町内の病院・診療所の連携では、医師をはじ めとする医療関係者の強い問題意識と課題解決に向けて一体となった行動があった。 また、健康づくり事業では、町民あげての健康づくりを通してのまちづくりへの参 加があった。
本別町の認知症高齢者対策事業においても、町民の認知症への理解と地域の支え合 う意識がなければ成り立たない。
今何が問題なのかをきちんと町民に示し、その解決のために町民一人一人が、関係 機関・団体が何をすればよいか、行政は具体的に何をするかを示す。そのことによ り地域の力の結集をはかる。
行政の真の役割とは、課題を示し、解決の方向を提示する「リーダーシップ」と住 民がその持っている力を十分に発揮して、行政と一体になって問題解決に向かう「場」づくりであると感じた。
④ 各町村はそれぞれ立地条件が異なる。それぞれに有利なところも不利なところも ある。違いを強調することにより、あれができない、これは無理だと言ったら何も できない。他の町で成功を収めている事業の手法を、どのように我が町に取り入れ ていくか、それが一番の課題である。
⑤ 最後に、特に印象に残った説明者の言葉を列記する。
「フィンランドと日本では風土も体制もいろいろ違いがあります。そのまま、まねを してもうまくいきません。その精神を移入し、この町でどう生かすか、です。」
「この町から医療難民を出すわけにはいきません。」
「この窓口に来て貰えばそこで全部できます。後ろは繋がってますから。」
「机の上で計画を作って、さあやりましょうと言っても、町民は動いてなんかくれま せん。」
「健康が究極の目的ではありません。健康づくりを通して健やかで心豊かに生活でき る、いきいきとした町づくりを目指します。」
「町民同士による話し合いが楽しい、自分の意見が行政に生かされていくことが体験 できるという感想が寄せられました。」
「どこから手をつけていいか分からないほど大変な問題だけど、先ず3年の事業計画 をつくり、1年1年重点項目を立てて、やってみようと考えました。」
「支援ボランティアの仕事は、それに携わってくださる人自身の介護予防にもなって います。」
「そんなの行政の仕事でしょう、と言っていた人が、どうやったらできるか一緒に考 えよう、と言うようになりました。」