2008年9月27日土曜日

地域リハビリ 

「地域におけるリハビリの役割」(PDF)
地域医療研究会の久米正志氏(厚岸町立病院 理学療法室技師長)の文章です。
この度、厚岸町は、町立病院が訪問リハビリを行う体制を作りました。 地域リハビリの充実を図っています。
「地域医療」にはいろいろな考え方がありますが、私は、医療関係者、行政、地域住民それぞれの役割を明確にした体制の構築が大事と考えます。
その意味でもおすすめの一文です。

第3回定例会 一般質問

平成 20年9 月30 日 平成20年第3回定例会一般質問の項目です。

1 防災について

 (1) 今回の「防災訓練」の内容と成果及び今後の課題。

 (2) 避難訓練以外の防災訓練。

 (3) 災害時の行政・医療施設の湖南北偏在対策。

 (4) 行政と住民の役割分担。

 (5) 湖北地区、特に真栄、宮園地域の避難路の確保。

 (6) 19年11月に立ち上げた検討会議における今日までの検討内容及び支援プラン作成の進捗状況

資料請求    避難訓練参加者の状況一覧

  (1)(2)は 地域住民の2・5%しか参加しなかった今回の避難訓練の問題と今後に向けての課題を指摘しました。

  (3)(4)は橋が使用不能の時、役場・医療機関は湖北、消防は湖南と分断される中での対策を聞きました。

  (5)は 真栄・宮園地区は、鉄道線路、鉄道用地に張り巡らされたフェンスにより、高台への避難が困難になっています。この問題を取り上げました。

  (6)は 災害時要支援者対策を中心としたプラン策定のため、検討会議が立ち上げられていますが、その後なんの動きも見えないので、お聞きしました。

2 「まちづくり地域懇談会」のについて

 (1) 「まちづくり地域懇談会」の概要

 (2) 「まちづくり地域懇談会」において出された町民要望の主な内容。

 (3) 「まちづくり地域懇談会」において出された町民要望は今後の施策展開の中で、どのように生かされ具体化されていくのか。

 (4) 今後の課題。

資料請求   「まちづくり地域懇談会」参加者の状況一覧

 「まちづくり地域懇談会」に それなりの意義は認めるられるものの 参加者が町民の3%という現実の前でどう考えるのか、町の見解をただしました。  

2008年9月17日水曜日

井上耕介先生の殉難

井上耕介先生は釧路税務署に属官として勤務当時税法の改正があり これが実施急務の令伝達の命を受け 明治四十一年三月六日 釧路より厚岸へ向かう途中 片無去駅亭百㍍余の前方に於いて 大吹雪のため遭難されました
先生は その命の迫るや樹木の枝に脚絆を目印として取付け 重要書類鞄を着衣の外套で包み その上に伏臥 遂に難に殉ぜられました
税務官吏としての職責を死をもって果たされましたその 崇高なる責任感に 当時の札幌税務監督局長吉田平吾氏は自ら撰筆 慰霊の悼文を刻記されています 全道税務官吏を始め同関係者の努力 更に地元太田兵村の挙村の協力により 大正二年遭難の地に 殉難慰霊碑が建立されました
爾来 祭祀今日に至っております
先生の偉績を敬仰追慕の士相集い 本会を結成 斎場維持に務めております 
慰霊祭は毎年秋に執行致しております

     井上耕介先生奉讃会

井上耕介先生慰霊祭案内

謹啓 不順な気候の夏も過ぎ 突き抜ける蒼空に片雲の
浮かぶ好季節となりました折柄
益々の御健勝をお慶び申し上げます
つきましては
井上耕介先生殉難慰霊祭を 左記に従い執り行いたいと
存じます
尚 本年は先生没後百年にあたります
時節柄御多繁のおり 誠におそれいりますが 

御臨席下さいますよう 謹んで御案内申し上げます   

                             敬 具


  平成二〇年九月  
                         井上耕介先生奉讃会
                   名誉会長 厚岸町長 若狹 靖
                           会 長  室崎正之


  記
日 時 平成二〇年一〇月一〇日(金曜日) 
    午後一時三〇分
場 所 井上耕介先生殉難慰霊斎場(厚岸町片無去)
     雨天の際は太田公民館にて執り行います

    尚 祭事終了後は引続き会場にて直会の儀を 
    行いたいと存じますので 御案内申し上げます
     斎場までの道路には指導標を設置しております
    慰霊祭についての御連絡御照会は
    副会長 池田治 にお願い申し上げます
       (〇一五三・五二・五一六七 池田税理士事務所) 

井上耕介先生が亡くなられて 今年で百年になります
没後百年を期して 何か記念事業をと考えておりましたが
現地斎場に桜の植樹を思いつきました
北海道新聞社から寄贈を受けた苗木と合わせ五十本の桜の苗木を植えました
今年の五月十八日です
来年はちらほら花をつけるかもしれません
この若木が大きく育ち 爛漫と咲き誇り 先生の遺徳を後世に伝えるその様を 一同夢見ています
尚 慰霊碑や斎場の玉垣も 度重なる地震等により 随分傷みが激しく危険な状態になりました それで先年 抜本的補修を致しました 面目を一新しております 
植樹当日の写真を同封いたします ご覧下さい




井上耕介先生慰霊碑 碑文

  碑 文


 井上耕介君篤行之士也夙奉職於税務功績尤顕 
  明治四十一年三月六日帯改正税法實施之急務自釧 
  路至厚岸比日暴風狂雪交通全杜絶矣雖然官命  
  不可緩一日君奮然決意曰十年之俸禄爲應一日之  
  急也此行不能乎奈奉公之大義何奮闘邁進而  
  斃至誠如君洵官吏之模範也茲同僚及有志相謀  
  建碑遺跡以表其義烈  
   大正二年四月  
   正六位  
  札幌税務監督局長     吉田平吾撰書
  勲六等  



井上耕介君篤行(とくこう)ノ士ナリ  
夙(つと)ニ税務ニ奉職シ功績モットモ顕(あらわ)ル  
明治四十一年三月六日  
改正税法實施ノ急務ヲ帯ビ  
釧路ヨリ厚岸ニイタル  
比(この)日暴風狂雪、交通全ク杜絶(とぜつ)ス匜  
雖然(しかりといえども)官命一日モ緩(ゆるがせ)ニスベカラズ
君奮然ト決意シテ曰(いわ)ク  
十年ノ俸禄ハ一日ノ急ニ應ゼンガ為(ため)ナリ  
此ノ行(こう)アタハズンバ、イカンゾ奉公ノ大義ヲナサン
奮闘邁進(ふんとうまいしん)シコウシテ斃(たお)ル  
至誠君ノ如キハ洵(まこと)ニ官吏ノ模範ナリ  
茲(ここ)ニ同僚及ビ有志相謀(あいはかり)  
碑ヲ遺跡に建テ、以(もって)其ノ義烈ヲ表ス  
大正二年四月  
正六位  
札幌税務監督局長     吉田平吾撰書  
 勲六等  

   
 

2008年9月16日火曜日

町内配布済みの議会報告(H19 6)

平成19年6月に町内配布した「議会報告」です。

平成19年3月定例会の私の質問とその答弁をまとめてあります。

一般質問 

予算委員会での質疑

 椎茸菌床売り払い代、餌料売り払い代の内容

 職員の自家用車公務使用の問題点

 町長公用専用車の是非

 SOSネットワーク

 特定外来生物

 不法投棄 不法焼却対策

 国定公園昇格等が主な論題です。

内容はPDFでお読み下さい。

  

2008年9月1日月曜日

夕張 地域医療・議員連盟に参加して

                    平成 20年9月1日  

 7月27日の夕張 地域医療・議員連盟の集会に参加しました。

上富良野町、羅臼町、下川町などの現状報告やコンビニ受診、タクシー救急車の問題、医療の不確実性など多岐にわたる発言がありました。

 私は、トークセッションの終わりの方に飛び入りの発言をしました。

その要旨は、
 ①「議員連盟」を名告る以上、議員は何を考えるべきかの視点を明確に打ち出すべきだ。議員として論ずべきは、体制の構築ではないか。

②「地域医療」とは、保健・福祉・医療の三位一体となっての施策であるとよく言われるが、現実はどうだろうか。財政から見てみよう。
 病院は独立・企業会計、病院だけで赤字黒字の議論が行われ、国保の赤字は国保会計の問題とされる。バラバラだ。村上先生は夕張に入り、国保会計の赤字を大きく減らしているそうだが、財政上の議論では、それは病院には何の関係もない数字になってしまう。

「地域医療」を口にするのであれば、この町で住民の命・健康を守るために、行政はどれだけの負担をし、どれだけの行政効果を上げているか。これを総合的に判断する尺度を構築する議論を議員として行うべきだ。(喩えて言うと、道路橋梁維持費という費目が一般会計にあるが、もしこの部分が独立会計になっていれば、ここに計上された支出は、赤字として皆の目に触れることになる。)

保健(予防)、福祉、医療の全体で、町民の生命や健康の保持のため、町が負担すべき支出を論じるべきだ。

議員として「地域医療」を論じるとは、そのようなことだ。

③ 大病院、高次医療圏と言われる分野を受け持つ病院は、その病気を直すことが使命だと言えよう。

しかし、地域医療を担う町村の公立病院はその役割は異なる。

地域医療を行うとは、この町で生まれ、この町で育ち、この町で仕事をし、時々病気になり、年をとり、死んでいく、この地に生きる住民の暮らし、そのすべてを基底から支えることだ。

 大事なことは、住民の暮らしの中で元気に生きていることのできる時間をどれだけ長く保てるか。そのことに十分意を払って毎日を暮らすという意識を皆が持っているか、にある。地域医療は保健から始まると考える。

自分たちで、自分たちの健康を作る。それを町や病院が支える。

そのような町を、体制を、行政がどう構築するか。まさに町づくりだ。

医師にお任せすると、地域医療が進んでいくものではない。(地域医療のすべてを医師ができるものではない) 
医師の仕事は何で、他の医療関係者や保健師の仕事は何で、行政の仕事は何でと、この町に於いての役割を、個々具体的に検討すべきだ。



 ④ 国は「健康日本21」「健やか親子21」と、立て続けに2010年迄を一区切りにした計画づくりを自治体に求めてきた。厚岸町はこれに従い、2計画を統合し、ライフステージを明確にして、数値目標を入れたセルフプロモーションの計画を作り、施策を進めてきた。
しかし、国は突如「メタボ」を打ち出してきた。この「メタボ」なるものは、個別検診でセルフプロモーションの考えとどう結びつくのか。現場は混乱している。
 
 追、

  {いい医者がいれば、うちの町の地域医療の問題は解決する。}
  {医者の確保さえできれば、・・・。}という意識を議会や理事者が持っている間は、地域医療の構築は難しいとしみじみ思いました。
  「地域医療」と「地域で医療」ないし「地域の医療」とは、少し違うんだがな、と言うのが私の感想です。
    

私たちの望む地域医療

平成17年10月29日 に 「厚岸町の地域医療を考える会」 が 町長に建白した要望書です。

  [ 私たちの望む地域医療と町立病院 ]

 
1、地域医療の中核としての町立病院

 私たちは、この町で生き、この町で暮らしています。
この町で健やかに育ち、この町で仕事をし、充実した毎日を送り、
この町で病気もし、この町で老い、この町で死を迎えます。
その全ての場面で、町民の生活を支えるのが「地域医療」だと考えます。町立病院は「地域医療の中核としての機能」を持って欲しいのです。
  また、日々の健康は自らが管理実現するものと聞いています。これは、一人ひとりが単独で自分の健康を自己管理するに止まるものではありません。地域住民皆の医療知識を高め、地域住民が皆で助け合いながら、地域の健康管理体制を作っていくことが大事だと考えます。
そのためには町民が皆、健康管理にきちんとした意識を持ち、基礎的医療知識を持つことが大事です。
この、住民の意識の啓発、地域における健康教育も町立病院の大きな使命と考えます。この中には当然、最新医療情報の積極的開示とインフォームドコンセントと言われるものも含まれるでしょう。

2、町立病院に最低限持たせて欲しい機能
 ① 救急医療
 ② 夜間外来
 ③ 人工透析

 ④ 急性の時期の入院施設⑤ 高次医療圏の大病院との連携と役割分担

 ⑥ 大病院を退院させられた後の在宅医療(外来通院)ができるようにする準備とリハビリのための               入院施設

 ⑦ 家庭が病室となるための診療・看護体制(訪問診療、訪問看   護、訪問診療科)
  ①②③④については現在の体制を続け、充実させてください。
  ⑤は言うまでもないことです。かっての医療過誤事件と言われ訴訟にまで至った「手術」も、果たして町立病院でしなければならなかった医療行為なのか疑問です。
  ⑥⑦は特に重要と考えます。急性期を過ぎたとして大病院から帰されても家では暮らせない状況の病人にどう対処するか、また家で病と向き合いながら家族と共に暮らしていく、その生活を支える体制を構築する必要があります。
 
3、医師を始めとする医療スタッフの充実

 ① 医師不足の中で苦慮しているのは、道内どこの自治体も同じ  と聞いています。人員の確保は大きな課題だと考えます。
  しかし、医師の員数さえ揃えば問題解決となるものでないこと  は、言うまでもありません
   地域医療を担う能力を持った医師、地域医療に対する知識と  意識を待った医師の確保を望みます。 
  また時には、地域医療推進を阻害する医師について、お引き取  り願うことも必要と考えます。

 ② 医師に限らず、医療スタッフ-看護師、薬剤師、理学療法士、  放射線技師、臨床検査技師、栄養士などの専門職、専門的知識  を持った技術集団は町の大きな財産です。特に医師以外の専門  職の多くは、この町でその生涯を過ごす人が大半です。
  医療スタッフに地域医療を担う能力を持って貰い、資質の向上  を図ることは病院の機能の充実、地域医療の推進のみならず、  地域の自立した健康管理体制確立の点から非常に大事なことと  考えます。
  これは、スタッフの個々の能力の向上だけではなく、組織体制としての能力向上を含みます。組織体制としての能力の中には、スタッフの員数も大きな要素です。如何に個々の資質が優れていても、十分な員数が確保されなければ組織としての能力があるとは言えないのは当然です。

 ③ 病院の機能を考える上で、事務職員の果たす役割は大変に大  きいと考えます。
  事務職員が地域医療に対する知識と意識を十分に持ち得ないと、病院は機能しません。地域医療の推進と言う観点から、事務職員の資質の向上を図ってください。
 
4、町立病院の経営と町が負うべき政策遂行の経費

 ① 「町立病院は大きな赤字を抱えている、平成16年度決算で  3億7千万円、累積赤字で8億円」と報道されました。大変な  経営難と思います。
  ただ、病院の経営を論じるとき忘れてはならないことは、独立  会計(企業会計)であるため、そうでなければ町政策執行経費  とされる部分も全て赤字黒字の話になってしまうと言う点です。
  例えて言えば、道路維持費というのは道路行政を維持運営して  いくための経費というわけですが、もしこれを独立採算にすれ  ば収入項目のない時は当然赤字と言うことになるでしょう。
   町立病院の赤字の中に町が負担すべき、町民の健康や生命保  持のための必要経費が紛れ込んでないか、きちんと検証してく  ださい。そしてその経費を超えた部分は病院の責任部分であり、  病院の運営努力で補う事が必要と考えます。
   政策遂行の必要経費はどの程度見込まれるのか、数字と根拠  を町民にわかりやすく説明してください。病院経営健全化の上  からこの事は大事と考えます。

 ②  言うまでもないことですが、病院経営健全化の問題にあたっ  ては、町の支出全体での考察が必要と存じます。
  町立病院の経営計数を良くするため、いたずらに経費を切りつ  めたり、不採算部門や経費圧迫の事業をを切り捨てれば、その  付けは町民に回り、結局において福祉や国保などの費目で町の  支出が増えていくことになりかねません。
  総体で考察するという視点を明確に打ち出してください。