2008年9月1日月曜日

夕張 地域医療・議員連盟に参加して

                    平成 20年9月1日  

 7月27日の夕張 地域医療・議員連盟の集会に参加しました。

上富良野町、羅臼町、下川町などの現状報告やコンビニ受診、タクシー救急車の問題、医療の不確実性など多岐にわたる発言がありました。

 私は、トークセッションの終わりの方に飛び入りの発言をしました。

その要旨は、
 ①「議員連盟」を名告る以上、議員は何を考えるべきかの視点を明確に打ち出すべきだ。議員として論ずべきは、体制の構築ではないか。

②「地域医療」とは、保健・福祉・医療の三位一体となっての施策であるとよく言われるが、現実はどうだろうか。財政から見てみよう。
 病院は独立・企業会計、病院だけで赤字黒字の議論が行われ、国保の赤字は国保会計の問題とされる。バラバラだ。村上先生は夕張に入り、国保会計の赤字を大きく減らしているそうだが、財政上の議論では、それは病院には何の関係もない数字になってしまう。

「地域医療」を口にするのであれば、この町で住民の命・健康を守るために、行政はどれだけの負担をし、どれだけの行政効果を上げているか。これを総合的に判断する尺度を構築する議論を議員として行うべきだ。(喩えて言うと、道路橋梁維持費という費目が一般会計にあるが、もしこの部分が独立会計になっていれば、ここに計上された支出は、赤字として皆の目に触れることになる。)

保健(予防)、福祉、医療の全体で、町民の生命や健康の保持のため、町が負担すべき支出を論じるべきだ。

議員として「地域医療」を論じるとは、そのようなことだ。

③ 大病院、高次医療圏と言われる分野を受け持つ病院は、その病気を直すことが使命だと言えよう。

しかし、地域医療を担う町村の公立病院はその役割は異なる。

地域医療を行うとは、この町で生まれ、この町で育ち、この町で仕事をし、時々病気になり、年をとり、死んでいく、この地に生きる住民の暮らし、そのすべてを基底から支えることだ。

 大事なことは、住民の暮らしの中で元気に生きていることのできる時間をどれだけ長く保てるか。そのことに十分意を払って毎日を暮らすという意識を皆が持っているか、にある。地域医療は保健から始まると考える。

自分たちで、自分たちの健康を作る。それを町や病院が支える。

そのような町を、体制を、行政がどう構築するか。まさに町づくりだ。

医師にお任せすると、地域医療が進んでいくものではない。(地域医療のすべてを医師ができるものではない) 
医師の仕事は何で、他の医療関係者や保健師の仕事は何で、行政の仕事は何でと、この町に於いての役割を、個々具体的に検討すべきだ。



 ④ 国は「健康日本21」「健やか親子21」と、立て続けに2010年迄を一区切りにした計画づくりを自治体に求めてきた。厚岸町はこれに従い、2計画を統合し、ライフステージを明確にして、数値目標を入れたセルフプロモーションの計画を作り、施策を進めてきた。
しかし、国は突如「メタボ」を打ち出してきた。この「メタボ」なるものは、個別検診でセルフプロモーションの考えとどう結びつくのか。現場は混乱している。
 
 追、

  {いい医者がいれば、うちの町の地域医療の問題は解決する。}
  {医者の確保さえできれば、・・・。}という意識を議会や理事者が持っている間は、地域医療の構築は難しいとしみじみ思いました。
  「地域医療」と「地域で医療」ないし「地域の医療」とは、少し違うんだがな、と言うのが私の感想です。
    

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