2011年9月9日金曜日

23年6月定例会を中心に

議 会 報 告
 平成23年8月

平成23年も8月に入りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は平成23年6月の定例会と選挙後5月10日に開催された臨時会の模様をお知らせいたします。
尚、議会の詳しい内容は8月発行される「議会便り」を御覧下さい。

平成23年6月 第2回定例会
【 本 会 議 】
本会議では、発言回数は原則として3回となっています。そのため質問と答弁がすれ違うこともあります。但し一般質問では一門一答方式が採用されいます。また一般質問には時間制限があり、質問答弁を含めて一時間以内となっています。

一 般 質 問
私を含め、全部で6人の議員から一般質問がありました。  
尚、私は ① 防災対応の検証。 ② 避難場所、避難路、避難方法。 ③自動車での避難。④ 避難施設の装備。 ⑤ 衛星携帯電話。 ⑥安否確認・避難者名簿。 ⑦北電の対応。 の7点について 質問しました。
 以下、私の一般質問の要旨です。

① 「防災対応の検証」

問・・・ 今回の防災対応につき、町はどのような方法で検証を行ったか。

答・・・ 「広報あっけし・4、5月号」「町のホームページ」で町民の意見を募集し、町職員から改善点などの報告を求め、関係機関との協議や担当課内での検討、検証を行った。

問・・・ 町民からの意見は、全部で何件寄せられたか。

答・・・ 8件あった。

問・・・ なぜ自治会に働きかけ地域住民と懇談しないのか、災害要援護者への対応につき関係者と意見交換しないのか、障碍者本人や関係者との話し合いをするなどの方法で、各層からの意見を求めないのか。
積極的に町民の意見を聞きとり、今後の施策に生かそうという姿勢が感じられない。
優秀な役場職員が専門家として検討するのだからそれで充分ということか。

答・・・ 民生委員の会議、自治会との懇談会などの機会を設け、防災について意見を聞いていく。

② 「避難場所、避難路、避難方法」

問・・・ 避難場所、避難路、避難方法については「一刻も早く最寄りの高台へ」という一次避難の観点から全てを洗い直すべきだ。
宮園、真栄地区の鉄道用地を突切っての避難路設定、奔渡地域の御供山への避難路設定に一歩前進が見られたことは大いに歓迎する。是非地域住民との十分な相談協議の上進めて頂きたい。他の地域についても同様、一次避難場所として活用できる近くの高台の検討を、地域住民との相談のうえ進めて欲しい。

答・・・ 地域に住んでいる皆さんとじっくり話し合い、進めていく。

③ 「自動車での避難」

問・・・ 自動車での避難についてその危険性をきちんと示すべきだ。
今回の町内でも避難路で渋滞を引き起こしている。
身動きのとれないなか津波に襲われた被災地も多い。
また渋滞は自動車でしか避難できない人の避難行動を妨げる、緊急車両の活動を妨害する。

答・・・ 緊急車両の経路についてはハザードマップで示したい。

④ 「避難施設の装備」

問・・・ 今回の被災地域での検証を見てもいざというとき、机上の計画通り人が動く保証はない。
又、避難施設をみると、暖房、照明、ラジオなどを含め、停電に対応できる設備を持っていないところが多い。経験上大きな地震は冬に来る。電気のあるなしに拘わらず、暖房、照明等ができる設備が必要だ。また、発電設備を持った避難施設や他の施設はきちんと作動するのか。
答・・・ 避難施設では松葉町集会所のみに発電設備がある。改めて、他の発電設備を持つ施設を含め、全ての施設設備の確認を行っている。

⑤ 「衛星携帯電話」

問・・・ 津波で役場庁舎も壊滅的にやられ、備え付けた連絡機材も役に立たないなか、唯一頼みの綱は衛星携帯電話だったとの報道がある。町では衛星携帯は何台装備しているか。
答・・・ 装備していない。指摘を受けた衛星携帯電話は直ちに用意したい。

⑥ 「安否確認・避難者名簿」

問・・・ 大災害では町民の安否確認が重要課題だ。避難所に誰が避難しているか把握するため、避難者名簿の設置等検討して貰いたい。

答・・・ 先進地の避難所マニュアルなどの事例を参考に、避難者名簿の作成を含め避難所の運営や手続きを決め、その生かし方を検討していきたい。

⑦ 「北電の対応」

問・・・ オール電化の家を見るまでもなく、真冬の停電は住民の命に関わる。今回の震災時町内の一部が長時間にわたり停電した。
その際「北電」は、民間企業の傘の中に隠れ、自社職員の安全を全てに優先した。自社職員を危険な目にあわせるわけにはいかない、大津波警報・避難勧告の出ている間は下に降りられないと高台から動こうとしなかった。との話がある。

答・・・ 当日停電の復旧を直ちに要請した。町内には指定業者があるものの、故障箇所の検査探索は釧路支店から来なければならないとのことである。
北電では避難勧告の出ている所には行けない、社員の命が大事だの回答であった。
何度かの話し合いの結果、安全確保のため自衛隊に来町を願い、隊員3名の付添いを得て、どうにか修復を行った。

問・・・ 町民の命と健康を守るのは、町の最も重要な責務である。あらゆる方策を検討して、そのような「北電」の職員のみに頼らなくても、早急に復旧できる体制を構築すべきだ。

答・・・ 言うまでもなく電気は、重要なライフラインであり、今後の課題として「北電」とも協議していきたい。


【予算委員会・補正予算】

 予算委員会は、議長を除く全議員(12名)によって構成されます。
 なお委員会での審議は一問一答の形で行われ、回数に制限はありません。
 審議は款項目に従って〈目)ごとにおこなわれます。記載は審議の順に従っています。
 私の主な発言と答弁の要旨をお伝えします。

 『宮園公園駐車場整備事業』(9款教育費 6項保健体育費 2目社会体育費)

問(室崎)《要旨》・・ 事業の内容。

答《要旨》・・・・・ 事業名は宮園公園駐車場整備事業。駐車場1500㎡と通路100㍍×5.5㍍を整備する。事業費2千万円である。
場所は、宮園公園パークゴルフ場脇、同休息棟に並んで設置する。
駐車場が近くにないため不便であること、また車上荒らしの被害が見られることなどからパークゴルフ場に隣接した駐車場の設置が要望されていたものである。

問(室崎)《要旨》・・ 駐車台数は、何台を見ているか。また平常時、利用者はどの程度の人数か。常時何台程度の駐車があると見込んでいるか。

答《要旨》・・・・・ 駐車可能台数は、車椅子用スペースを含め73台となる。また利用者は多い日で150人位の利用がある、駐車台数は50台位あると推定している。
仕様は所謂アスファルト舗装、通常の駐車場舗装方法で、凍上抑制層27㎝、下層路盤工15㎝、アスファルト安定処理5㎝、細粒度アスコン3㎝となっている。

問(室崎)《要旨》・・ 所謂アスファルト舗装で2千万円と説明を受けた。これがダスト舗装(砕石舗装)なら事業費はどの程度になるか。

(答弁に手間取り暫く休憩の後)
答《要旨》・・・・・ ダスト舗装にすると1250万円となる。

問(室崎)《要旨》・・ 3月11日以前ならばこのような質問をしなかったと思う。また駐車場の必要性、規模についてあえて言うつもりもない。ただ、現在3月11日を境に世の状況は大きく変わってきている。行政の全ての施策も、これに応じて一つ一つ検討されるべきだ。
大震災の津波は厚岸町をも襲った、私たちの町厚岸町においても大きな被害を受けた多くの人がいる。住居や工場の被害に耐え、またカキの養殖施設、アサリの島に壊滅的打撃を受け、それでも歯を食いしばって頑張っている多くの人たちがいる。
また、町においても、この後復旧、復興支援に多くの財源を必要とすると思われる。
そんななか、従来立案した計画、施策をただ漫然と施行するだけでいいのか。
ダスト舗装の経費を聞いても資料がないのかすぐに答えられない等、計画された事業をもう一度検討し、同じ行うにしてもいろいろなやり方を検討するという姿勢がみえない。

答《要旨》・・・・・ 計画時においては、ダスト舗装を含め、いろいろな方式を検討した。砂利定圧で良いのではないかとの考えもあった。
本事業は公園の要綱にのっとった形で駐車場の整備を行うものである。
確かにこの時期いろいろなものが災害の中で必要になってくると思う。しかし災害一辺倒ではなくいろいろな事業が粛々と進められなければならない。
この事業は社会体育として必要性のあるとの判断の中での整備である。
公園の要綱にのっとった事業なので、社会資本整備事業交付金(50%・1千万円)が交付される事が決定している。町の一般財源からの持ち出しは1千万円ですむ事になる。

【平成23年5月臨時会】

 選挙の後、最初の「第1回臨時会」は、5月10日、開催されました。
ここでまず、議長、副議長の選挙、議席の指定、各常任委員会など 、議会の構成が決められます。
議長には、音喜多議員、副議長には佐藤議員が選ばれました。
議会の詳細については、厚岸町公式ホームページをご覧ください。
尚、私は釧路東部消防組合議員に任ぜられました。
釧路東部消防組合は、地方自治法に定められている特別地方公共団体で、「一部事務組合」です。一部事務組合とは、複数の普通地方公共団体等(市町村等)が行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組織です。
釧路東部消防組合は、厚岸町、釧路町、浜中町により設置されています。
消防議会は、3町から町議会議員4名づつ、計12名で構成されています。
定例会は3月、12月の年2回となっており、臨時会は随時開催されます。
議長、副議長、監査委員は3町の持ち回りとなっています。議長は南谷議員(厚岸町)、副議長は津村議員(釧路町)、監査委員は菊地議員(浜中町)となりました。

先日、ある本の一節が目にとまりました。議員のイメージについて書かれたくだりです。
曰く、「傲慢、利己的、威張る、我が儘、強欲、恫喝、権力、我田引水、態度が悪い、人の話を聞かない」とありました。
「他山の石」という言葉もありますが、自らを厳しく律して行かなければならない、と思っています。
いろいろご意見があると存じます。皆さんの考えをお聞かせ下さい。
疑問点のある方、詳しく知りたい方、お問い合わせ下さい。
尚、議事録は議会事務局、情報館にあります。厚岸町公式ホームページにも掲載されています。
今後とも一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2011年8月19日金曜日

議会報告  23年3月定例会を中心に

議 会 報 告  平成23年3月

 東北関東大震災により命を落とされた多くの方のご冥福を祈り、被災された方々の一日も早い立ち直りを願っています。お身内ご親戚や知人の消息が未だ分からないという方も町内に少なくないと聞いています。話を聞くたびに胸が詰まり、言葉になりません。
 また、我が厚岸町も津波により被害を受けました。床上床下浸水の被害に遭われた方も多く、漁業被害も大きなものでありました。本州の惨状に比べ、人命に被害がないだけでもよしとしなければといった声も多く聞かれます。それを否定するものではありませんが、だからといって被害に遭われた方の苦難・大変さが変わるものではありません。
 被災された方を支えるために、何が出来るか、ほんの少しでも出来ることはないか、一人一人が考え、実行に移す事がなにより大事と思っています。私も微力を尽くします。

 3月議会(平成23年厚岸町議会第1回定例会)は3月2日から16日まで開催されました。
私の発言の主なものを、大震災に関連するものを中心にお知らせいたします。
議会の詳しい内容は、今後発行される「議会便り」を御覧下さい。



【予算委員会・新年度予算】
 議会は、11日地震の直後、大津波警報が発令され直ちに休会としました。15日に再開され、厚岸町の被災状況の行政報告があり、11日までの審議に引き続いての予算審議に入りました。
予算委員会は議長を除く全議員(15名)によって構成されます。委員会での審議は1問1答の形で行われ、回数に制限はありません。審議は款項目に従い(目)ごとに行われます。
15日は8款1項2目「災害対策費」で今回の被災について審議が集中しました。

〈安否確認、被害調査〉
問(室崎)《要旨》
 高齢者の家庭には電話での安否確認を行ったと聞いている。今日資料で住宅の被害状況の集計(月14日現在)が配布されているが、床上浸水をした家で、一人暮らしの高齢者など高齢者のみの世帯がどのくらいあるか、応援もなく困難を極めている災害要援護者(高齢者世帯・障碍者・病人世帯)がないか。

答《要旨》
安否確認は電話で直ちに行った。
床上浸水により、住めないとの相談が1件あった、町営住宅に移転するべく手配している。
ただ現在、全体についてそのような調査をしていないので相談のない部分は把握していない。

問(室崎)《要旨》
 前述の集計には、被災事業所の数も含まれているか。

答《要旨》
 この集計には入っていない。

問(室崎)《要旨》
 産業被害の実態把握はどのように行っていくのか。漁協・商工会との連携はどうか。

答《要旨》
 事業所については、一般住宅の調査の翌日職員を派遣して、被害状況の聞き取り調査を行った。 尚、産業被害の状況については、これから明確になると思われる。漁協や商工会による詳細な調 査もお願いしている。実態が明らかになったところで、支援施策を検討していく。
 
〈避 難〉
問(室崎)《要旨》
 今回の大津波警報での避難者の多くが自動車を利用している。渋滞で動けなくなった所もみられ、自動車での避難は危険だ。横断歩道を渡る徒歩避難者が危険な事態も見えた。出来る限り徒歩での避難をもっと強く呼びかけるべきだ。また皆が自動車で避難すると、どうしても自動車でしか避難できない人の妨げになる。

答《要旨》
寒い、避難場所までの距離が遠いなど、自動車を使う理由はいろいろ考えられるし、やむをえない事情もある、自動車での避難が危険であることを周知し、近くの高台に直ちに避難するよう呼びかけるとともに、避難場所の検討を行う。 

問(室崎)《要旨》
 全く身一つで避難し、水や食料などは全く持たない人が多く見られた。
避難持ち物リストを提示するなどして、最低限の食料や救護品、避難用品をもっていけるよう普段から心がける呼びかけを行うべきだ。自分で出来ることは何なのかを考えて貰うことも町は呼びかけるべきである。

答《要旨》
厚岸町の避難実態にあった防災グッズのリストを提示するなどして、普段から避難の際の備えを 心がけるよう指導したい。

問(室崎)《要旨》
 保育所、学校での避難態様。

答《要旨》
保育所では何れも普段の避難訓練などの成果があらわれ、全員無事で混乱や事故もなく、避難場所から保護者と連絡、迎えられることができた。各学校ではそれぞれ状況を判断しながら、下校路に教員を配置するなど安全を確保し、下校させた。但し、今回の様な大津波警報発令の事態は初めての経験で、このような場合学校に留め置いた方がいいのか、早く下校させた方が良かったのか、各学校地域の状況を勘案して検討する必要がある。

〈検 証〉
問(室崎)《要旨》
 今回の震災の避難や支援などの対策について、職員の意見や感想、気づいたことを聞くことは大いに結構だが、職員のよかれと思って行ったことが、町民にどう受け止められたか。この検証は必要だ。全町民に対してどんな小さな事でも、提言を含めて気づいたことを指摘して貰うことが大事だ。「町長への手紙」の特別版を作ってはどうか。

答《要旨》
可能な限り、そのような方向で準備をする。

問(室崎)《要旨》
 水をかぶって使い物にならなくなった大型ごみを、家の近くで集めておき収集して貰う、特設のゴミ置き場が設置できないかとの要望も多い。

答《要旨》
 道路にあがったゴミをまとめておいた所に、これ幸いとトラックで、倉庫に入れてあったと思われる全くぬれてもいない古い道具を捨てていく。そんな行為が相次ぎ、これを制止するため何人もの職員をさかれた。漁協にも応援を頼み、警察に巡回をお願いした次第である。1件1件調査し、行為者を明らかにして厳罰に処したい所であるが、そんな作業をしている暇もなかった。この状態ではゴミ置き場を作り、被災者の援護に役立てることは事実上できない。

〈感 謝〉
問(室崎)《要旨》
 それぞれの避難所で、差し入れや避難協力など、献身的支援があったと聞いている。町として事 実をきちんと把握し、しかるべき感謝の意を表すべきである。

答(町長)《要旨》
 親身になって御協力いただいた方々に対し、状況を調べ御礼に伺いたい。
 また、今回の経験で、食料暖房電気など避難所の課題もいろいろ浮き彫りになっている、その課 題克服のため検討していく。

〈防 潮 堤〉
問(室崎)《要旨》
 宮園、真栄地区の防潮堤が今年から工事にはいると聞く、直接住民の命を守る施設であるだけに、他のものと異なり、事業が先送りされないよう、町としてもよろしくお願いしたい。

答《要旨》
道の事業であり、住民との話し合いも終わり、今年から工事が始まる。被災地のため協力の要請もあり、いろいろなところに波及することは考えられるが、この事業については、そのようなことのないよう、要請をしていく。

〈被災地に対する支援〉
問(室崎)《要旨》
 厚岸町の主要産業の一つであるカキの養殖は、昭和の初めから宮城県のカキ養殖業者、宮城県の人々に支えられて発展してきたと言っても過言ではない。その人々が今、壊滅的打撃を受けている。漁業協同組合は当然、支援を行うべく検討協議に入っていると思われるが、町としてもこの被災地の救援、そして復興支援に向かって行動を起こすべきだ。

答(町長)《要旨》
 全くその通りだと思う。ただ、連絡もとれず相手側の状況も解らない状態だ。事態を確認しながら進めていきたい。



【本会議・一般質問】
 一般質問には時間制限があり、質問答弁を含めて1時間となっています。

1、プレミアム付商品券について

問《要旨》 
 この事業の内容。

答《要旨》 
 商工会が事業主体となり、地元消費の拡大と商工業者の活性化及び町民の生活支援を目的に、30%のプレミアム付商品券を発行する。
一セット5000円で6800セット販売する。町はそのプレミアム分1千万円を補助する。
問《要旨》 
 販売方法。 

答《要旨》
 商工会窓口、湖北湖南と3カ所での販売を計画している。事前予約の方法も検討中である。
購入は1世帯4セットまでとし、1回目で購入出来なかった方は、2回目で優先する。

問《要旨》
 大型店も参加するのか。

答《要旨》
 商工会員367店の案内をし、87店が参加する。町内の大型スーパー2店及びドラックストア1店は参加しない。
問《要旨》
 経済効果について事後きちんと検証し、その結果を公表すべきだ。 

答《要旨》
 検討する。

2、T P P(環太平洋経済連携協定)及び 日豪EPA(経済連携協定)について

問《要旨》
 国は突然T P P(環太平洋経済連携協定)に参加するとの話を持ち出した。これは多国間(米豪等の9カ国)の経済連携協定であり、二国間で締結されるFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)と異なり例外を認めない関税撤廃や貿易障壁の撤廃を図るとするものである。
 また、全国でT P P反対の運動が盛り上がりを見せている中、今度は事実上中断していた日豪EPAを再開した。輸出産業の活性化を図り、経済を立て直すとするが、これにより、国内の一次産業は壊滅し、北海道地域は崩壊するとの報道もある。

答《要旨》
 北海道による試算では、T P Pによる影響額は2兆1000億円、日豪EPAによる影響額は1兆4000億円とされる。影響額の7割はオーストラリア関係といえる。
また、日豪交渉では「コメ」は関税撤廃の対象外とされるが、牛肉乳製品は難しいと伝えられる。

問《要旨》
 厚岸町の産業に対する影響につき、実態を調査したと聞く、その上でどの程度と試算しているか。

答《要旨》
 農業における影響は、昨年12月の定例会で85%の農家が減少するとしたが、乳価の下落する中で15%の農家が営業できるのかと指摘を受け、100%の減少とした。
生乳生産、肉牛生産など全てが影響を受け、その額は60億9800万円の減少となる。
町内農家113戸が離農せざるをえず240人余りの生産従事者、300人の家族が生活に困窮する。町内農地1万737㌶が耕作放棄地となる。
 地域経済に及ばす影響としては、町営牧場の閉鎖に伴う影響が2億4500万円、太田農協の解散により損益が34億2200万円、畜舎住宅建設など町内建設業者5800万円減少、自動車の購入整備8500万円、運送業で2億3800万円減少、町内商店販売額は3億5200万円の減少、森林施業、教育部門などへの影響を合わせ、農業関係の総影響額は、105億5500万円の減少と試算した。
 水産業では、コンブ漁業を主にしている364戸の53%193戸483人が減少する。
厚岸町の生産するコンブは、加工用が主で輸入品と競合し、コンブ生産額12億3100万円の70%、8億6200万円が減少する。市場水揚げ額への影響額と合わせ14億4000万円の減少となる。
 地域経済への影響では、コンブ干しアルバイト232人、30日で6900万円減少、漁協手数料収入が6300万円減少、資材等漁協購買額が2億2400万円減少、コンブ干場の手入れ船舶や船外機更新などの他、小売業販売額でも4億9300万円の減少、漁業生産額で14億4000万円、地域経済への影響額が9億300万円、合わせて23億4300万円の減少という影響をうけると試算される。
 この影響は、厚岸町経済の根幹を揺るがし、厚岸町の崩壊を招きかねない。
食料の確保は、軍事、エネルギーと並び、国家存立の重要な柱である。
厚岸町のみならず日本の農林水産業や地域経済の崩壊を招くT P Pへの参加、牛肉・乳製品の関税撤廃対象からの除外のない日豪EPAには、断固反対である。

問《要旨》
 町の取り組み。

答《要旨》
 全国の消費者協会、関連89団体に呼びかけをした。釧路市、市議会、釧路町村会、同議長会と共同で道に対して T P Pへの参加を絶対に行わないよう提案している。
 農業、漁業の振興と安全安心な食の生産への取り組みを強化していく。

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この他、いろいろな項目について発言していますが、紙面の都合上割愛します。
詳しくはこの後できる議事録を御覧下さい。議事録は議会事務局、情報館、厚岸町のホームページで御覧頂けます。(私宛お申し付け下さっても結構です。)
尚、私の今期4年間の一般質問項目の一覧をつけておきました。



3月29日 臨時会が開催されました。
①  厚岸町災害見舞金支給条例が改正され、見舞金支給額は床上浸水の場合、単身世帯で現行の10,000円が30,000円に2人以上の世帯で20,000円が50,000に引き上げられました。3月11日からの適用となり、同日以降に支給された見舞金は内払扱いとみなされます。

②  災害援護資金の貸付条例が制定されました。
今回の地震津波による被災世帯主に対して、住宅被害には100万円以内、家財の損害には30万円以内、水道などの設備被害には50万円以内の貸付を行う内容です。

③  中小企業者等対する復旧資金利子補給に関する特例条例が裁定されました。
今回の地震津波による被災中小企業者等で、平成23年東北地方太平洋沖地震災害に係る災害貸付融資要領(北海道経済部長通知)による貸付資金及び厚岸町中小企業融資規則による貸付金により融資を受けた者に対する利子補給をおこなう内容です。

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今まで経験したことのない大災害を目の当たりにして、多くの方の善意の動きが出ています。
救援物資を受け付けている「あみか」には、沢山の品物が届いています。
議会では、議員会に積み立ててあった会費を議員会からの義捐金として寄付しました。
また、私の友人はトラック1台と従業員2名を現地に派遣したいので、町に問い合わせて欲し
いと申し入れてくれました。(町単位では動けないので道が取りまとめ中とのこと)

23日本の森情報館協議会が開かれました。その席でこの図書館は何が出来るだろうとの声が上がり ました。皆で考え、情報館に集う人に呼びかけ「古本市」を行い、その益金を役立ててはということになりました。29日に実行委員会を開き「東北関東大震災支援“古本市”」を5月1日行うこととなりました。
ごくごく小さな試みですが、なにかやらなければという思いの人たちが集まっています。
皆様の御協力を御願いします。



いろいろご意見があると存じます。皆さんのお考えをお聞かせ下さい。
疑問点のある方、詳しく知りたい方、お問い合わせ下さい。

子どもには健やかな成長を、若者には夢を、働き盛りには生きがいを、そしてお年寄りには安心を与えることの出来る町をつくりたい。そう願って24年間頑張ってきました。
任期もあと僅かになりましたが、精一杯頑張ります。
一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。


今期4年間に行った一般質問項目一覧
(内容については議会便りを御覧下さい)
 平成19年6月 定例会    
  1、学校の統合について
  2、財政見通しについて
 平成19年9月 定例会     
  1、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)について
  2、学校林について
 平成19年12月 定例会    
  1、災害対策について                
  2、廃棄物について
 平成20年3月 定例会   
  1、孤老死・孤独死対策について
  2、字名地番変更事業について
 平成20年6月 定例会
  1、「協働のまちづくり」について
 平成20年9月 定例会
  1、「防災」について
  2、「まちづくり地域懇談会」について。
 平成20年12月 定例会
  1、「感染症対策」について
 平成21年6月 定例会 
  1、厚岸町「ホームページ」の作成について
 平成21年9月 定例会
  1、「戸籍事務電算化」とその財源について
 平成22年3月 定例会
  1、「地域医療」体制の構築と充実について
 平成22年6月 定例会
  1、「口蹄疫」について
 平成22年9月 定例会
  1、「定住自立圏形成協定」について
 平成22年12月 定例会
  1、T P P(環太平洋経済連携協定)について
 平成23年3月 定例会
1、プレミアム付商品券について
  2、T P P(環太平洋経済連携協定)及び 日豪E P A(経済連携協定)について

2011年8月15日月曜日

地域崩壊の悪夢 「TPP」にどう対処するのか 22年12月 定例会一般質問

問  我が国発展のためにTPP(環太平洋経済連携協定)に参加するとの話が突然浮上した。これは多 国間(米・豪等の9カ国)の経済連携協定であり、二国間で締結されるFTA(自由貿易協定)、EPA (経済連携協定)と異なり例外を認めない関税撤廃や貿易障壁の撤廃を図るとするものである。これ に我が国も参加するとなると、国内の一次産業は壊滅する、北海道地域は崩壊するとの報道もあ る。


答  現在、二国間で締結されるFTA、EPAではお互いの国の状況を考慮した関税撤廃削減の除外品目の設定など、日本の農水産業主要作物などへの影響が回避されている。
TPPではこの配慮が認められず、地域の産業、経済に及ぼす影響は大変大きい。
釧路総合振興局の試算によると釧路管内の農業生産額の減少額は436億円、関連産業及び地域経済への影響額は、1512億円、雇用の減少は1万5千人とされる。


問  厚岸町にはどのような影響があるか。


答  農業部門では肉用牛生産額は現在2億3200万円程となっているが、全て輸入物に置き換わる、生産額はゼロとなると予想される。
酪農業は現生産額58億6600万円の15%の8億8000万円となり、減少額は49億8600万円と試算される。地域経済の影響額は間接的波及を含め42億5700万円、農業全体で94億7500万円に及ぶと見られる。
町内の農家は現在110戸であるがこの内94戸が減少し16戸となる。農家の減少により牧草地1万737ヘクタールの内8500ヘクタールが耕作放棄地になってしまうと予想される。
水産業ではホタテが現生産額1200万円の内400万円減、コンブでは12億3200万円の内5億3000万円減、スケトウダラでは1800万円の内1000万円減、イカが1800万円の内600万円減、サンマでは23億3500万円の内3億7400万円の減、タラでは400万円の内200万円減となり、合計36億1900万円の漁獲金額の内9億2600万円程が減少と影響額を試算した。
カキ・アサリについては安価で大量の輸入物により大きな影響が出、他の魚種や地域経済にも大きな影響が出ると考えられるが、カキ・アサリを含め、「道」からの影響額算出根拠が出ていないため試算から除外した。実際には試算した数字を大きく上回り、漁家の減少や雇用にも大きな影響を及ぼすものと考えられる。
林業ではシイタケに大きな影響が考えられる。


問  地域崩壊という言葉が現実味を帯びる試算だ。ただこの数字が「道」の試算に机の上で係数を掛けただけのものではないのか。
農業では関連産業として、建築業、建設業、運輸業や農業関連物資の販売業等に直接及ぼす影響を試算すべきだ。
漁業ではカキ・アサリを始めとして「道」試算の魚種以外についても、町独自にその影響額を試算すべきだ。また漁家はどの程度減少すると見込まれるのか、雇用への影響があるというが具体的にどのような状態になるのか、町としての予想を示すべきだ。ことは厚岸町の問題だ。


答  現場での聞き取りを含め、きちんとした調査をして影響の試算を出したい。


問  厚岸町は今後どのような対策をとろうと考えているか。


答  TPPの交渉に参加することは絶対反対であることをあらゆる場において表明していく。国の施策が示されれば、その内容を吟味し厚岸町にとり有効な施策を取り入れるため農協漁協と協議しながら対策を講じる。将来を見据えた海外と競争ができる農林水産業を早急に確立するため、その活性化と経営体質強化の施策を恒常的にはかる。


問  一部の閣僚が公言するような、一地方、一生産団体の問題ではない。国の一次産業の健全な発展なくして、食の安全も、自給率向上もあり得ない。国のあり方の基本を決める問題だ。その意味からも食料生産地である厚岸町は全国展開している消費者団体と手を結び、全国に働きかける姿勢が大事だ。


答  北海道消費者協会、厚岸消費者協会や釧路消費者協会など消費者団体もTPP反対集会には参加し、一緒に反対の意思を明確にした。一緒にやっていきたい。




2011年8月8日月曜日

犯罪者名簿 定住自立圏構想 22年9月定例会一般質問

「犯罪人名簿」に法的根拠はあるのか。(22年9月 一般質問)

問 「犯罪人名簿」は何に基づきどのように作成され運用されているか。
答「犯罪人名簿」は厚岸町行政組織規則第二条別表中に町民課窓口サービス係の分担事務として名称が記載されている。これは地方検察庁から送付される既決犯罪通知書及び刑執行状況通知書をもとに作成される。
取扱基準の規定はない。
問 この法的根拠はなにか。
答 市区町村では長い間国からの訓令等に基づき、いわば受動的に犯罪人名簿の調製整備を行ってきている。大正6年内務省訓令第1号により犯罪人名簿を整備することが義務づけられた。戦後地方自治法はこれを引き継ぐ規定を持たず、現在直接市区町村に対し整備を義務づける規定をした法律・政令はない。
国は「犯罪人名簿」の作成運用は地方公共団体の自治事務としている。
問 国などの要請があるからとはいえ、法的根拠も定かでないままに、個人の犯罪歴というプライバシーの最たるものを情報提供している現状は、個人情報保護法、個人情報保護条例に違反する疑いが強い。国も厚岸町もなんとか合法だとするため、難しい理論を展開しているが、全国市町村戸籍事務担当者の集まりである全国連合戸籍事務協議会が毎年「犯罪人名簿の取扱は個人情報保護法に反して違法だ。法的整備を急いで欲しい」と国に対し要望書を出している。この団体には厚岸町の担当者も入っている。
国のいうように法律による整備は不要で、自治事務、町の権限による事務ならば、町は独自に条例による法整備をすべきである。
答 早急に検討し善処する。

「定住自立圏形成協定」を締結する狙いはなにか。
(22年9月 一般質問)

問 「定住自立圏形成協定」を推進する国の意図、町の狙い。
答 今日の急速な人口減少、高齢化、都市圏への人口流入、地方の衰微といった問題に対処するため国は「定住自立圏構想」を打ち出した。それは
地域における中心都市と周辺市町村が締結する協定を積み重ね、連携・協力により、都市機能の整備と生活機能の確保、圏域全体の活性化を図ろうとするものである。
町としては、この国の方策に沿って、中心市である釧路市との相互連携による町づくりを推進し、町の基礎的自治体としての機能を確保しつつ、釧路市の持つ都市機能を利活用し、住民の命と生活の機能の充実を図ろうとするものである。
問 広域救急医療など、現在種々の分野で個々の協定が締結されている。この「定住自立圏形成協定」締結により、現状はどう変わるのか。
答 今回の「協定」はこの構想以前から実施している事務事業を中心に締結するもので、この協定締結により変わるものではない。
問 協定締結により財政措置があるとされるが、予想される「厚岸町への財政措置」。
答 特別交付税や地方債による財政措置がある。特別交付税としては、この協定及び共生ビジョンに掲げる具体的取組にかかる需要額として1千万円を上限に算定される。地方債については現在対象となる事案はない。
問 消極的にすぎる。不作為の不利益を免れればよいと言う考えか。
「定住自立圏構想」は地方の自治体が個々の自立性を保持しながら相互に協力し合って町づくりを行う。国はその施策に力を貸しましょうと言うことだ。厚岸町の町づくりという点から今回の協定締結にあたり、例えば釧路に一番近く高齢化が進んでいる上尾幌地区の発展のために釧路市と協力して施策を展開しようと検討しなかったのか。
また一例を挙げれば、釧路市は生活保護受給者の自立支援の施策展開で全国に名高い。弱者を排除しない町として評価が高い。市の協力を得て「生保自立支援プログラム」を厚岸町でも行うという検討はなされなかったのか。
答 そのような形での検討はしていない。今後協定の改定作業の中で検討し充実させていきたい。先ずは協定を締結しその足がかりを作っていく。




2010年8月1日日曜日

厚岸町の口蹄疫対策(22年6月定例会一般質問)

(問)
厚岸町では口蹄疫対策としてどのようなことが行われているか。
(答)
国は口蹄疫の発生及びその疑いがあると認められたときは、農水省内及び現地に対策本部を設置し、都道府県知事と共に防疫対策を講じる。
道内に口蹄疫が発生した場合は、道庁及び現地振興局(旧支庁)内に対策本部が設置される。家畜衛生保健所が発生地における屠殺や埋却の指示を農家に出すなど、防疫対策の中心的役割を担う。
町では、国、道、家畜衛生保健所と連携をとり、家畜伝染病防疫対策本部設置要項や口蹄疫防疫対策マニュアルに基づき対策に万全を講じる。
対策マニュアルでは、国内(道外)における発生、道内での発生、釧路管内での発生、町内及び町界農家から20㎞以内での発生と4段階に分け、具体的に町の行う防疫対策の内容を定めている。
実施にあたっては厚岸町家畜自衛防疫協議会と協力して、対応を検討する。
今回、宮崎県の口蹄疫発生に対応し、厚岸町口蹄疫対策本部を設置し、具体的対策を協議決定した。町内24の施設に消毒マットを設置した。
また、防災行政無線を利用し、関係者以外の農場や町育成牧場への立ち入りの自粛を要請した。
(問)
家畜自衛防疫協議会は常設のものか。
(答)
この協議会は、家畜の伝染病を予防し、家畜の健康を保持し、生産性の向上に寄与することを目的とするもので、年に5回ほど開催されている。今年の6月、協議会長に町長が就任した。
(問)
口蹄疫の汚染国に囲まれた我が国は、この病気がいつ発生してもおかしくないと言われて久しい。専門家の間では常識だ。口蹄疫は、今から10年前十勝地方で発生している。未だ記憶に新しいことだ。
厚岸町のマニュアルはいつ作成されたものか。
(答)
今回の宮崎県の口蹄疫発生を受けて、本年6月1日付で作成された。
(問)
町の各施設の入り口に消毒マットが設置されている。
設置一覧を見ると、町施設以外では、JR厚岸駅だけだ。
全町から人が集まると思われる町内の大型店、民間の病院には設置を働きかけたのか。
伝染の予防のための消毒は、町施設入り口でさえ行えばそれで充分とは思えない。
(答)
 民間の医院や大型店に消毒マットの設置要請は行っていない。
少年自然の家と厚岸漁協では自発的に設置している。
(問)
万が一、道内や町内で疑似患畜が出た場合、どのような経路を通って情報が町に伝達されるのか。マニュアルにも明記されていない。また、防疫協議会できちんと協議の上、体制として明記されているのか。
(答)
農家から家畜診療所に連絡がはいり、診断にあたった獣医は、疑似患畜となれば電話で家畜保健衛生所又は共済組合の支所に連絡を入れる。この情報が家畜保健衛生所又は家畜診療所から当然町に伝えられると考えている。
(問)
口蹄疫対策として、イベントの中止を決めた町村も多い。厚岸町でもいろいろなイベント、催し物が予定されている。行われる場所、規模により具体的対策は変わると思われる。
どのような対策をとるのか。
(答)
イベントの中止は考えていない。消毒マットや消石灰の散布による消毒を中心にして対策を考えている。
(問)
厚岸町の酪農に甚大な被害を与える家畜伝染病は、口蹄疫だけではない。特にヨーネ病は、道内での発生が多く、近隣町村でも見られる。
口蹄疫以外の家畜伝染病に対する対策はどうなっているか。
(答)
家畜自衛防疫協議会ではヨーネ病、サルモネラ病のマニュアルを作成している。
(問)
日常の予防意識を町民全員で共有することが大事だ。
農家の牧場は食品を生産している場所である。
消毒もしないで入っていくことは大変危険なんだという意識を町民皆が持つことが必要だ。この啓発啓蒙は町の大きな仕事だ。
(答)
今回の口蹄疫の事態から得られる教訓を生かし、危機管理体制の強化、啓発啓蒙に万全を期していきたい。

2010年6月11日金曜日

議会報告 22年3月定例会 1 一般質問

      議会報告

【平成22年3月 第1回定例会】

平成22年第1回定例会は、3月3日から17日迄の15日間の会期で行われました。
以下私の発言の主なものを要約して、ご報告いたします。  
詳しい内容は、5月発行の「議会便り」をご覧下さい。   

【 本 会 議 】
 一般質問には時間制限があり、質問答弁を含めて一時間以内となっています。

《一般質問》
私を含め、全部で8人の議員から一般質問がありました。  
尚、私は「地域医療体制の構築と充実」について質問しました。
地域医療とは、地域で医療が行われていることではありません。
医療・福祉・保健(予防)の各部門がきちんと連携し、この地で生き死んでゆく住民の生活を基底から支える「体制」そのものを言います。
「地域で医療」「地域の医療」とは根本的に違います。
現在各地で医師不足のため、大変な事態になっています。
厚岸町も例外ではありません。しかしその中で行政として地域医療体制の構築として何ができるか、考えていかねばなりません。
医師が足りない困った困ったと、行政としてなにも打ち出せない「医師不足依存症」ではいけないと考えています。そんな思いで提言を交えた質問をしました。

{一般質問の要旨}

1「地域医療体制」の構築と充実は急務

(問) 
厚岸町立病院の医療圏とはどこを指すのか。

(答)
医療の役割や患者の動向、高度医療機器と手術、入院設備の充足状況などから、従来より町立病院の医療圏は厚岸、浜中両町としている。

(問)
地域医療の中核としての厚岸町立病院に求められる機能とは何か。

(答)
町民が安心してこの地に住み続けるために、現在町立病院の有している内科、外科、小児科と透析治療の常設診療科及び療養病床と二四時間の救急救命をカバーする手術入院施設の維持に努める。退院後在宅での生活を支援するリハビリは重要である。また、整形外科、脳神経内科、循環器内科は釧路市の総合病院と連携を密にして開設していく。ただ、この病院の体制・機能維持には医師の確保が不可欠である。

(問)
地域医療体制をどう充実させて行くか。

(答)
この地で生きる住民の生活全体から医療を捉え、病気だけでない「人」を診る医療が基本とされる地域医療の推進が町立病院の診療方針である。但し、急速に進む医師不足のため現状の医療体制を維持することが大変に難しくなっている。
この急激な医師不足に対応し、町全体で支え合う医療の仕組みづくりが求められる。病気に対応する医療は勿論、検診による疾病の早期発見や広報活動等による予防医療も大切である。

(問)
「地域医療」とは、この地域で医療行為を行っているとか、あの地域の医療がこうだといった「地域の医療」「地域で医療」とは次元が異なるものだ。
保健(予防、健康づくり)・福祉・医療が一体となって住民の生活を支える「体制」そのものを言う。保健との連携、福祉との連携はどうなっているのか。

(答)
保健部門では乳児から高齢者までの健康づくり、介護保険など各部門での課題に対し、町内の医師歯科医師の指導助言を受けているが、従来より全体的取り組みが課題とされる。
福祉部門では障碍福祉の面で訪問診療、訪問相談の充実と、特に重度の障碍者の自立を補う医療的ケアが必要とされる。

(問)
地域医療体制の充実に欠かせない「医療連携」を町はどのように構築していくのか。

(答)
先ずは、医師確保に努め、その上で医療機関相互の診療や投薬の情報提供の推進を図り、医療機関が別々に管理する医療データを個人でも管理しながら関係機関相互に役立てられる仕組みづくりが求められる。日常を診るかかりつけ医から、専門的な内視鏡・CT等の高度な検査手術入院が必要となった場合には、町立病院や総合病院につなげるなど、関係医療機関の役割分担と連携が求められる。

(問)
町立病院と釧路市の総合病院等の連携により、整形外科、脳神経外科、循環器内科の定期的外来が行われていることは高く評価する。と同時に厚岸郡での中核病院として、厚岸浜中両町の診療所との連携はどの程度進んでいるのか。

(答) 
関係医療機関の連携を図るため、地域を越えて課題を共有し、新たな協議の場の提案を行うべく、担当者間での打ち合わせに入っている。少ないスタッフで少しでも効率よく診療を行うため医療情報が欲しいとお願いしている。

2、受診制限と医療情報共有のシステム

(問)
町立病院は投薬歴などの医療情報が欲しいと言う、対する診療所側は勤務時間外に呼び出され、膨大なカルテを探すのでは体が持たないと言う。これでは解決は遠い。
両町と医師歯科医師が一堂に会し、医師等に負担のかからないシステムを考えるべきだ。
例えば、保険証や受診カードと一体となった医療手帳を患者に持たせ、各病院・診療所等は今回の投薬(注射や薬)の情報をその手帳に記載し、患者に返却する制度を作る。
受診にはカード・保険証と共にこの手帳が必要となれば、初めて診る医師も今までの受診情報が一目でわかる体制だ。
先ずは投薬情報の共有から始めてみてはどうか。

(答)
浜中町とは医療機関の連携につき話合いの場を持つことになっている。提案の件は、参考にし乍ら考えて行きたい。

議会報告 22年3月定例会 2 議案審議

【議案第33号 町道路線の認定】

一度に15件の道路が町道として認定される議案です。これほど多くの道路が一挙に町道とされる議案はあまり例がありません。数はともかく、この中には町道とすることに問題のある道路が含まれているとされ、紛糾する場面がありました。本会議で質問が相次ぎ、特別委員会を設置し、本会議と合わせ2日にわたる質疑となりました。

現林道を町道とするものが何件かあり、町道とすることで管理がしやすくなる。また町道となれば、地方交付税の基準財政需要額の項目となり、交付される交付税が増える。といった理由が挙げられてました。

私は、特に林道を町道として認定するもののうち、他の林道上に始点をもち、終点が山林内で行き止まりとなっているもので、その先に住居も施設もないものについて、行き止まりの町道は始点が行動に繋がっていなければならないという、町の定めた認定基準に反している。町道としての公衆性や一般性に欠ける、といった点を中心に質問しました。

一般性、公衆性については山菜採り、きのこ狩り、森林浴などで一般町民に利用されている、との答弁でした。
また、質疑の中で一部の林道につき、道路図面すらできていないという杜撰な管理をしているものが、そのまま町道認定の対象となっていることもわかりました。

私はこの議案に反対しました。反対の立場で討論を行いました。
 反対討論《要旨》
(1)一部林道(311、來別2号道路)につき、用地確定の手続きもきちんとできていない。
林道は森林管理目的の道路で(スーパー林道など特殊なものは別として)公衆性・一般性に欠け公道とは言えず、「行き止まりの町道は始点が公道でなければならない」とする、厚岸町の町道認定基準にも反する。
この林道の町道として認めてもいいとする一般的利用性の根拠が、何人の人が利用しているかの調査等も行われていない、森林浴・山菜採り・きのこ狩りといったものでは、牽強付会のそしりは免れない。

(2)地方交付税が増えるということが、すべてではいけない。きちんとした手続きを踏み、適格性のあるもののみを町道として認定すべきである。

この後、
  賛成討論があり(発言者・堀議員)採決の結果、賛成多数で可決されました。