2011年8月15日月曜日

地域崩壊の悪夢 「TPP」にどう対処するのか 22年12月 定例会一般質問

問  我が国発展のためにTPP(環太平洋経済連携協定)に参加するとの話が突然浮上した。これは多 国間(米・豪等の9カ国)の経済連携協定であり、二国間で締結されるFTA(自由貿易協定)、EPA (経済連携協定)と異なり例外を認めない関税撤廃や貿易障壁の撤廃を図るとするものである。これ に我が国も参加するとなると、国内の一次産業は壊滅する、北海道地域は崩壊するとの報道もあ る。


答  現在、二国間で締結されるFTA、EPAではお互いの国の状況を考慮した関税撤廃削減の除外品目の設定など、日本の農水産業主要作物などへの影響が回避されている。
TPPではこの配慮が認められず、地域の産業、経済に及ぼす影響は大変大きい。
釧路総合振興局の試算によると釧路管内の農業生産額の減少額は436億円、関連産業及び地域経済への影響額は、1512億円、雇用の減少は1万5千人とされる。


問  厚岸町にはどのような影響があるか。


答  農業部門では肉用牛生産額は現在2億3200万円程となっているが、全て輸入物に置き換わる、生産額はゼロとなると予想される。
酪農業は現生産額58億6600万円の15%の8億8000万円となり、減少額は49億8600万円と試算される。地域経済の影響額は間接的波及を含め42億5700万円、農業全体で94億7500万円に及ぶと見られる。
町内の農家は現在110戸であるがこの内94戸が減少し16戸となる。農家の減少により牧草地1万737ヘクタールの内8500ヘクタールが耕作放棄地になってしまうと予想される。
水産業ではホタテが現生産額1200万円の内400万円減、コンブでは12億3200万円の内5億3000万円減、スケトウダラでは1800万円の内1000万円減、イカが1800万円の内600万円減、サンマでは23億3500万円の内3億7400万円の減、タラでは400万円の内200万円減となり、合計36億1900万円の漁獲金額の内9億2600万円程が減少と影響額を試算した。
カキ・アサリについては安価で大量の輸入物により大きな影響が出、他の魚種や地域経済にも大きな影響が出ると考えられるが、カキ・アサリを含め、「道」からの影響額算出根拠が出ていないため試算から除外した。実際には試算した数字を大きく上回り、漁家の減少や雇用にも大きな影響を及ぼすものと考えられる。
林業ではシイタケに大きな影響が考えられる。


問  地域崩壊という言葉が現実味を帯びる試算だ。ただこの数字が「道」の試算に机の上で係数を掛けただけのものではないのか。
農業では関連産業として、建築業、建設業、運輸業や農業関連物資の販売業等に直接及ぼす影響を試算すべきだ。
漁業ではカキ・アサリを始めとして「道」試算の魚種以外についても、町独自にその影響額を試算すべきだ。また漁家はどの程度減少すると見込まれるのか、雇用への影響があるというが具体的にどのような状態になるのか、町としての予想を示すべきだ。ことは厚岸町の問題だ。


答  現場での聞き取りを含め、きちんとした調査をして影響の試算を出したい。


問  厚岸町は今後どのような対策をとろうと考えているか。


答  TPPの交渉に参加することは絶対反対であることをあらゆる場において表明していく。国の施策が示されれば、その内容を吟味し厚岸町にとり有効な施策を取り入れるため農協漁協と協議しながら対策を講じる。将来を見据えた海外と競争ができる農林水産業を早急に確立するため、その活性化と経営体質強化の施策を恒常的にはかる。


問  一部の閣僚が公言するような、一地方、一生産団体の問題ではない。国の一次産業の健全な発展なくして、食の安全も、自給率向上もあり得ない。国のあり方の基本を決める問題だ。その意味からも食料生産地である厚岸町は全国展開している消費者団体と手を結び、全国に働きかける姿勢が大事だ。


答  北海道消費者協会、厚岸消費者協会や釧路消費者協会など消費者団体もTPP反対集会には参加し、一緒に反対の意思を明確にした。一緒にやっていきたい。




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