2010年8月1日日曜日

厚岸町の口蹄疫対策(22年6月定例会一般質問)

(問)
厚岸町では口蹄疫対策としてどのようなことが行われているか。
(答)
国は口蹄疫の発生及びその疑いがあると認められたときは、農水省内及び現地に対策本部を設置し、都道府県知事と共に防疫対策を講じる。
道内に口蹄疫が発生した場合は、道庁及び現地振興局(旧支庁)内に対策本部が設置される。家畜衛生保健所が発生地における屠殺や埋却の指示を農家に出すなど、防疫対策の中心的役割を担う。
町では、国、道、家畜衛生保健所と連携をとり、家畜伝染病防疫対策本部設置要項や口蹄疫防疫対策マニュアルに基づき対策に万全を講じる。
対策マニュアルでは、国内(道外)における発生、道内での発生、釧路管内での発生、町内及び町界農家から20㎞以内での発生と4段階に分け、具体的に町の行う防疫対策の内容を定めている。
実施にあたっては厚岸町家畜自衛防疫協議会と協力して、対応を検討する。
今回、宮崎県の口蹄疫発生に対応し、厚岸町口蹄疫対策本部を設置し、具体的対策を協議決定した。町内24の施設に消毒マットを設置した。
また、防災行政無線を利用し、関係者以外の農場や町育成牧場への立ち入りの自粛を要請した。
(問)
家畜自衛防疫協議会は常設のものか。
(答)
この協議会は、家畜の伝染病を予防し、家畜の健康を保持し、生産性の向上に寄与することを目的とするもので、年に5回ほど開催されている。今年の6月、協議会長に町長が就任した。
(問)
口蹄疫の汚染国に囲まれた我が国は、この病気がいつ発生してもおかしくないと言われて久しい。専門家の間では常識だ。口蹄疫は、今から10年前十勝地方で発生している。未だ記憶に新しいことだ。
厚岸町のマニュアルはいつ作成されたものか。
(答)
今回の宮崎県の口蹄疫発生を受けて、本年6月1日付で作成された。
(問)
町の各施設の入り口に消毒マットが設置されている。
設置一覧を見ると、町施設以外では、JR厚岸駅だけだ。
全町から人が集まると思われる町内の大型店、民間の病院には設置を働きかけたのか。
伝染の予防のための消毒は、町施設入り口でさえ行えばそれで充分とは思えない。
(答)
 民間の医院や大型店に消毒マットの設置要請は行っていない。
少年自然の家と厚岸漁協では自発的に設置している。
(問)
万が一、道内や町内で疑似患畜が出た場合、どのような経路を通って情報が町に伝達されるのか。マニュアルにも明記されていない。また、防疫協議会できちんと協議の上、体制として明記されているのか。
(答)
農家から家畜診療所に連絡がはいり、診断にあたった獣医は、疑似患畜となれば電話で家畜保健衛生所又は共済組合の支所に連絡を入れる。この情報が家畜保健衛生所又は家畜診療所から当然町に伝えられると考えている。
(問)
口蹄疫対策として、イベントの中止を決めた町村も多い。厚岸町でもいろいろなイベント、催し物が予定されている。行われる場所、規模により具体的対策は変わると思われる。
どのような対策をとるのか。
(答)
イベントの中止は考えていない。消毒マットや消石灰の散布による消毒を中心にして対策を考えている。
(問)
厚岸町の酪農に甚大な被害を与える家畜伝染病は、口蹄疫だけではない。特にヨーネ病は、道内での発生が多く、近隣町村でも見られる。
口蹄疫以外の家畜伝染病に対する対策はどうなっているか。
(答)
家畜自衛防疫協議会ではヨーネ病、サルモネラ病のマニュアルを作成している。
(問)
日常の予防意識を町民全員で共有することが大事だ。
農家の牧場は食品を生産している場所である。
消毒もしないで入っていくことは大変危険なんだという意識を町民皆が持つことが必要だ。この啓発啓蒙は町の大きな仕事だ。
(答)
今回の口蹄疫の事態から得られる教訓を生かし、危機管理体制の強化、啓発啓蒙に万全を期していきたい。